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発達栄養学54 100kcal栄養学の基本
80kcalを1単位とする栄養学は戦後の緊急措置で始まりましたが、今では一食の食品ごとの摂取エネルギー量は100kcal前後となり、単位では1.2ほどとなっています。単位にすると、かえってわかりにくく、そもそも100という十進法であれば他に換算する単位を持ち出すこともなく、簡単に計算することができます。 健康的な食生活の指標として出されている摂取エネルギー量の1600kcalを例にすると、一般に
ファスティングの核心はエネルギー代謝にある
ファスティングを実践するときには期限が設けられています。人間の身体は食事をして、これをエネルギー源にすることで生命維持をしているので、エネルギー源となる糖質、脂質、たんぱく質を断つことができる期限は限られています。もちろん個人差はあり、性別や年齢によっても差はあるものの、生理学的な限界は決まっています。 遭難して水も食べ物も摂ることができない状況で、生命維持ができる期間は一般に3日間だと言われて
学習障害53 異音異議語は面白い13
同じ漢字で発音が違う異音異義語を紹介しています。今回は、あ行の“お”から始まる異音異義語の第5回と、“か”から始まる異音異義語の第1回です。 尾鰭「おひれ」尾とひれ。つけ加えるもの。「おびれ」魚類・無顎類などの体の後端のひれで主に遊泳のとき推進の作用をする。 御守「おまもり」守り札。「おもり」補佐し守ること。子守。 重石「おもし」物をおさえるのに用いるもの。人を制し鎮める威力。秤のおもり。「
新型コロナウイルス感染者の集中で拡大は抑えられるか
命の選別とされるトリアージは、新型コロナウイルスに感染して重症化した人に対して行われます。新たに対応できる医療スタッフ、医療機器、医薬品が1人分しかない病院に2人の患者が搬送されたら、どちらの患者に医療資源を投入するかの選別をしなければなりません。今現在、治療を受けている重症患者を一つランクを下げた治療に移して、2人分を確保するという方法もあるものの、移すための中等症のベッドがあいていないというこ
発達栄養学53 80kcal栄養学が主流となった歴史的背景
日本の栄養学は80kcalを1単位とするわかりにくい数字が基本になっていると前回、説明しました。この80kcalは食糧難の“戦後の緊急措置”として始まったということも紹介しました。では、戦争の前の基本のエネルギー量は、どれくらいの量だったのかというと、今のような栄養学の教科書のように詳細のエネルギー量と重量を示したものではありませんでした。80kcalを基本とすることが示されたときに、食品交換表が
ファスティングの本当の意味を知っているか
ファスティングはダイエットや健康、美容を目的とした食事療法の一つとして知られています。ファスティング(fasting)のもともとの意味は断食、絶食で、食べすぎ、飲みすぎによる体調不良を改善する方法として古くから医療を補う方法として生活に取り入れられてきました。 フランスでは「ファスティングはメスのいらない手術」、ドイツでは「ファスティングで治せない病気は医者でも治せない」と表現されています。ドイ
学習障害52 異音異議語は面白い12
同じ漢字で発音が違う異音異義語を紹介しています。今回は、あ行の“お”から始まる異音異義語の第4回です。 大雪「おおゆき」はげしく大量に降る雪。「たいせつ」はげしく降る雪、多く積もった雪。二十四節季の一。 御札「おさつ」紙幣。「おふだ」神仏の守り札、護符、神符。 大仏「おさらぎ」姓氏の一。「だいぶつ」丈六以上の大きな仏像。 落葉「おちば」散り落ちた葉。おとしだね、落胤。落葉色の略。「らくよう
コロナ対応のトリアージが医療現場以外でも始まった
新型コロナウイルス感染者が病院に搬送されたときに、重症度に応じて治療すべき内容が決められます。これをトリアージと呼ぶのだということは報道で伝えられ、随分と理解されるようになってきました。トリアージ(triage)は一般には重要で最初に扱うべきことを選別することで、医療現場では誰を先に治療するのか、どちらに医療の機器と人材を投与するのかを決定する意味で使われています。 医療スタッフや医療機器、医薬
発達栄養学52 栄養補給の単位は80kcalなのか100kcalなのか
栄養学の基本は、それぞれの人に適したエネルギー量を確保することで、そのエネルギー量の単位となっているのは80kcalです。生活習慣病の予防と改善のために食事療法を実施するときには80kcal栄養学では、80kcalを1単位として計算します。 ご飯の量で80kcalというと重量にすると55gで、これはご飯茶碗に軽く半分の量になります。通常は、ご飯茶碗に1杯が基本とされるので、軽く1杯分で2単位とな
メディカルダイエットは必要な栄養素を摂取する
やせるための最も簡単な方法は食べないことです。食事ができない状態でも水さえ飲めれば3週間は生き延びられると言われています。これは極限状態なので、もちろんすすめられることではないのですが、健康体なら体内に蓄積されたグリコーゲンからブドウ糖を作り、体脂肪から脂肪酸を作ってエネルギー源を確保することができます。グリコーゲンの貯蔵量は肝臓で100gほど、筋肉(骨格筋)には平均して300gほどとなっているの