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日本人は牛乳に弱い

牛乳を飲むと、お腹が張る、ゴロゴロする、下痢をするという状態が現れることは乳糖不耐性と呼ばれています。これは乳製品に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する乳糖分解酵素のラクターゼの分泌が低下しているために起こるものです。赤ちゃんのときにはラクターゼが分泌されないと母乳から乳糖を取り込むことができないために、分泌量は多くなっています。歴史的に乳製品を多く摂ってきた欧米人は、乳糖分解酵素の分泌量は赤ちゃ


発達栄養学36 塩分を減らしても味覚を育てるためのヒント

味覚を正常に保つための方法として塩分を減らした食事がすすめられます。しかし、塩分を減らすとおいしさを感じにくくなり、これが食欲を低下させ、栄養摂取にも影響を与えるようになります。 食塩を減らしても野菜や魚類などから摂った出汁(だし)が多ければ、汁物や煮物などは薄味になってもおいしく食べられるようになります。また、塩分を減らした代わりに、他の味でカバーすることができます。これは高血圧の食事療法にも


日本人は糖質を分解して活用しやすい

胃と腸から分泌される消化液の種類は国民によって異なることはないのですが、分泌量は違っています。日本人は歴史的に米食中心で糖質を多く摂ってきたことからアミラーゼの分泌量が多くなっています。これによってエネルギー源となるブドウ糖を多く取り込むことができる体質とりました。これは低栄養の時代には有効な仕組みでしたが、栄養過多の時代には血糖値を急上昇させる原因になっています。血糖値が上昇すると肝臓で合成され


学習障害35 聴覚系に課題がある場合の読み書きのアプローチ

聴覚系に課題がある場合には、見て、聞いて、声に出すという読み書きの基本となる音読が困難になっています。集団で音読をするときには周りに合わせて進められるものの、個人での読み書きとなると聞いたことを言葉にすることがスムーズにいかず、中でも長い文を読むことが難しいことがあります。そのようなときには、短く区切って、それを読むことから始めて、徐々に長い文に慣れるようにしていきます。 覚え間違いをしていると


消化は胃だけで行われているわけではない

飲食したものを分解して吸収される形にする消化は胃で行われ、腸で吸収されるのが一般的な印象ですが、消化は小腸と大腸でも行われています。小腸では小腸液のほか、膵臓からの膵液、肝臓からの胆汁と混じり合い、小腸でも消化は続いています。消化された粥状液から栄養素が吸収され、残りが大腸に運ばれていきます。 胃で分泌されるのは糖質とたんぱく質の消化液だけで、完全に消化されるまでに糖質(主食:ご飯、パン、麺類な


発達栄養学35 塩味を求める味覚の特徴は変えられる

子どものための栄養学の話なのに、成人の高血圧の話から始めさせてもらいますが、塩分好きで濃い味が好きな人には高血圧が多く、食塩を減らすように指導されても、塩分が足りない食事は物足りなくて、塩分を減らせないために血圧が下げられないということが起こります。そのメカニズムですが、塩に含まれるナトリウムが水分を吸着させるために血液量が増えて血圧が上昇することが指摘されています。 塩分を減らすといっても少し


肝臓で作り出される多くの体熱

太っていると身体が冷える第一の理由としてあげられるのは、体熱を作り出す筋肉が少ないということですが、この他にも冷える理由があります。 内臓の周りにある内臓脂肪に脂肪が多く蓄積されていると、その脂肪が血管を圧迫することから血流が低下するようになります。脂肪細胞の中に多く脂肪が蓄積されていることは正常な状態ではないので、脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪を分解して脂肪酸を血液中に放出するために、分


学習障害34 聴覚系に課題がある場合の読み書きの困難さ

文が読めない子どもで、聴覚系に課題がある場合には、初見では逐次読みになりますが、だいたいの意味がわかるようになると勝手読みをするようになります。文は句読点で区切って読むことを繰り返させてもリズミカルに復唱することや、正確に覚えることが困難になります。これは聞き取る力が弱くて、知らない言葉や正確に覚えていない言葉が多くなっているからです。そのために、単語や文節を正確にひとまとまりとして読み取ることが


女性が冷えやすい原因

体熱は細胞の中でエネルギー代謝によって作り出されていますが、全身の細胞の中で最も多くのエネルギーを作り出しているのは筋肉の細胞です。筋肉は基礎代謝のうち35~38%ものエネルギーを作り出しています。これは日本人の平均的な消費エネルギー量の割合で、筋肉が多い人ほどエネルギーが多く作られ、体温も高まることになります。筋肉量は男性のほうが多く、1日の摂取エネルギー量は平均すると男性は女性に比べて25%ほ


発達栄養学34 味覚は3歳までに発達する

子どもの味覚は3歳までに形成されて、そのピークは3〜4歳だとされています。3歳までに食べた味が、その子どもの一生涯の味覚を作り上げると言われることがありますが、実際には10歳までの味覚の記憶が味覚の特徴を決定すると考えられています。 味覚は舌にある味蕾によってキャッチされています。味蕾の数は生まれたばかりの乳児には1万個以上ありますが、3〜4歳から減り始め、成人では75%ほどになり、高齢者では3