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学習障害126 コロナ禍で広がった学習障害対応の重要性
新型コロナウイルスの感染拡大から健康への影響が懸念されて、高齢者の健康寿命が短くなることが話題となりました。高齢者の健康は重要ではあるものの、そればかりではないことを広く伝えさせてもらっています。その対象としているのは子どもですが、その研究のきっかけとなったのは発達障害児のコロナ禍の反応です。 感染拡大で全国一斉に休校になったとき、直接学ぶ機会が奪われ、自宅での課題の自習やタブレットを使ってのオ
デトックスで排出すべき体内毒素と体外毒素
体内で発生する毒素としてニトロソアミンと腸内細菌の悪玉菌が発生させる有害物質について前回説明しました。体内で発生する毒素は、この他にもあって、活動をした結果、代謝産物として身体の中で発生する老廃物があり、これは体内毒素と呼ばれています。体内毒素には疲労物質の乳酸、尿素、尿酸、アンモニアのほか、腸内細菌の悪玉菌が発生させたインドール、スカトール、硫化水素などの毒素も含まれます。体内毒素は、血液とリン
江戸煩いから学ぶおかずの内容
食事の内容と日本人の体質との関係について話をするときに、新たな食生活が健康を害しているということを伝えるために“江戸煩い(わずらい)”について話しています。煩いは身体的な病気を指していますが、江戸時代中期に八代将軍の徳川吉宗が進めた享保の改革によって新田開発が盛んに行われ、米が大増産されたことから庶民も白米が食べられるようになりました。 その結果として、全身の倦怠感、手足のしびれ、むくみが起こる
発達栄養学126 牛乳は殺菌温度で味わいが大きく異なる
牛乳が飲めない子どもが引っかかっているのは、ミルク味や色、とろみ感などだけでなく、焦げたような臭いがあることです。発達障害児にみられる感覚過敏では、この焦げたような臭いが気になり、体質的に受けつけない原因にもなっています。これを改善するには、まず家庭で飲んでいる牛乳が、どんな種類であるかを確認することです。 牛乳は殺菌が義務づけられていて、殺菌温度によって超高温殺菌、高温殺菌、低温殺菌に分類され
健康寿命延伸のための提言53 提言のエビデンス8健診・検診の受診と口腔ケア2
国立高度専門医療研究センター6機関(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)が連携して、研究成果として「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」を公開しています。提言のエビデンスの解説(第2回)を紹介します。 歯周病有所見者は、そうでない人と比べて循環器病
日本は「一億総忍者の国」なのか
「○○の国」という表現を日本人は好きなようで、「日出ずる国」から「晴れの国」まで広く使われています。日出ずる国は聖徳太子が小野妹子を隋に派遣したときの書簡にあった言葉だと伝えられていますが、もともと日本の美称として使われていて、今でも日本発祥の素晴らしい文化などを世界に発信していることを指す言葉として使われています。 「晴れの国」という言葉のあとには「岡山」が続きますが、最も晴天が多いのは岡山県
学習障害125 栄養計算は“八十進法”だからわかりにくい
食品表示を見ると、袋や箱の中に入っている商品の重量が表示されている場合と、100gあたりの表示がされている場合とがあります。食品表示はエネルギー量、糖質、脂質、たんぱく質、塩分の記載が義務づけられています。義務づけられている食品表示の他に重要な栄養成分についても実際の含有量と、100gあたりに含まれる含有量が示されていることがあります。 それを見て、実際の含有量よりも多く含まれているように思い込
デトックスが必要なほど体内は汚染されているのか
工場の汚染排水や排気、自動車などの排気ガス、農薬などの鉛、カドミウム、水銀、ヒ素などによる環境汚染は進み、環境破壊にストップをかける活動が進んでいても、水や土壌、空気を通して、体内に入り込んでくる汚染物質の量は増え続けています。これらの環境汚染物質は、プランクトン、小魚から始まり、徐々に大型の動物への蓄積されていく食物連鎖が起こり、最終的には食物連鎖の頂点に立つ人間の体内に最も蓄積されていきます。
庶民の昼食の習慣は江戸時代中期から始まった
病院栄養管理の研究所に所属していたときのこと、メンバーとして慶應義塾大学病院の食養科のトップの管理栄養士が参加していました。この先生は100kcal栄養学の元祖とも言える方で、途中から大学の図書館に特殊資料担当として移動しました。臨床栄養の出身ということで疾病と栄養の歴史を専門としていたことから、臨床栄養の学会でも非常に興味深い報告をされていました。 その先生から学んだことが、私が日本人の体質を
発達栄養学125 魚が食べられない子どもの対応2
魚が食べられないという子どもは、どんな魚でも食べられないという子どももいれば、決まった種類の魚が食べられないという子どももいます。それが発達障害に特徴的にみられる感覚過敏で、五感(味覚、嗅覚、視覚、触覚、聴覚)の反応によって食べられないものがあるというときには、それが困難さにつながっている魚を避けて食べられるものから始めるというのは通常の方法です。 フライが好きな子どもには白身魚フライを食べさせ