金言の真理129「物心一如」2

松下幸之助さんの言葉が金言として伝えられているのは、PHP研究所や松下政経塾、松下幸之助.com(松下幸之助のことば100)といった、さまざまな機会を通じて今も発信され続けていることが大きいようです。

その中で「物心一如」(ぶっしんいちにょ)は登場機会としては多くはなくても、企業経営者やリーダーに刺さる言葉のベスト10にあげられる、まさに金言として光輝いています。

「物心一如」が特に重視されて、今もパナソニックグループの経営基本方針に書かれているのは時代を超えて感銘を与える思想に裏打ちされているからです。

そして、パナソニックグループに限らず、根幹の思想として定着しているPHP(Peace and Happiness through Prosperity)、「繁栄によって平和と幸福を」として伝えられています。

これは経営の神様と讃えられる松下幸之助さんの影響が大きいのは多くが認めるところですが、「物心一如」は仏教用語であり、日本に仏教が伝えられてから時代を超えて日本人に訴えかけ続けてきた戒めの一つであるという認識が刻まれてきているからです。

「物心一如」は、すべての存在や事象が分け隔てなく、絶対的に平等であり、一体であるという仏教の根本的な教えです。

身体と心(身心一如)、迷いと悟り(迷悟一如)など、対立する二つが本質的に同じであることを示していて、ありのままの現実を真実として受け入れる心境を指しています。

この教えを、そのまま受け入れてくれる人だけなら、戦いや争い、マウントの取り合いは起こらないはずですが、その争いが続く(相続ならぬ争続)は、これからも見聞きすることは減らないのではないかと感じています。

その中でも不安の大要因となりやすいのは“迷悟一如”の欠落です。
〔小林正人〕