食事摂取基準473 骨粗鬆症10

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連について説明しています。その中の骨粗鬆症と特に関連の深いエネルギー・栄養素の「ビタミンD」の続きを紹介します。

〔ビタミンD〕
ビタミンDのサプリメントの付加による骨密度への影響についてはメタ・アナリシスを含めて報告が多いものの、結果は十分に一致していません。

主に中高年を対象とした13の無作為化比較試験のメタ・アナリシスでは、ビタミンDサプリメント投与群(平均20μg/日)では、対照群よりも大腿骨頸部骨密度の変化率が加重平均差で0.8%大きくなりましたが、腰椎や大腿骨近位部骨密度では有意差は認められていません。

また、別のメタ・アナリシスでは、約7割の介入試験において、20μg/日を超えるビタミンD補給で、腰椎、大腿骨近位部、大腿骨頸部の骨密度変化率が有意に大きくなることを示しています。

しかし、一般に骨密度の測定精度は、変動係数で1%程度であり、これを超えると骨密度変化率の差はみられていません。

ビタミンD単独ではなく、カルシウムの併用による効果を検討した研究をみると、無作為化比較試験のメタ・アナリシスでは、大腿骨近位部骨折リスクを39%、全骨折リスクを26%低下させることを示しています。

別のメタ・アナリシスでは、ビタミンDとカルシウムの併用投与は大腿骨近位部骨折リスクを16%、非椎体骨折リスクを14%、全骨折リスクを5%、それぞれ低下させたとあります。

ただし、ビタミンDとカルシウムの併用投与であっても、有意な骨折リスクの低減効果が見られないメタ・アナリシスもあり、その関連については結論が出ていません。

以上から、ビタミンDの栄養状態として、血中25-ヒドロキシビタミンD濃度を20ng/mL以上に保つことは、骨粗鬆症の予防の観点から重要と考えられます。

しかしながら、サプリメントによる介入研究の結果を含めても、ビタミンDの付加による骨粗鬆症リスクの低減効果については、今後の検証が必要です。

体内のビタミンDの維持のために、食事からの摂取を行うとともに、適切な日光曝露を図ることが望ましいとされています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕