「三」4 新たな三角関係

「三角関係」というのは、男女の関係を表すときに使われることが多いことから、男性1人と女性2人、もしくは男性2人と女性1人という3人の恋愛関係が複雑に交差することを指しています。

今どきのジェンダーの社会情勢では、男性3人の恋愛関係、女性3人の恋愛関係もあり得るのですが、男性1人の場合には“二股”と呼ばれています。ただ、そのような関係があったとしても、このことを認識しているのが男性1人だけであって、2人の女性が知らない、気づいていないという場合には“三角関係”とは呼ばれません。

3人すべてが認識したときに初めて“三角関係”となって、その後に起こることは「想像するだに恐ろしい」ことになります。単に浮気だとか不倫という流行語で済まされるような関係性ではなくて、ドロドロの関係にもなりかねません。

今回のテーマの「新たな三角関係」というのは、3人ではなくて登場人物は4人です。それは1970年代のことで、自由民主党の佐藤栄作内閣総理大臣(第5代)の後継の座を争った三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫の4人の名前の1文字をとって「三角大福」と表されました。

普通なら丸いはずの大福が、三角形であったということではありません。
実際の後継の総理大臣の座は、田中角栄(第6代総裁)、三木武夫(第7代総裁)、福田赳夫(第8代総裁)、大平正芳(第9代総裁)の順であったので、この順番で並べたら「角三福大」となって語呂が悪いので、今も「三角大福」という言葉が使われています。

三つの派閥が次の総裁の座を巡って、駆け引きをしているのが三角関係で、田中角栄が絶大な権力を握った後を誰が獲得するのかの駆け引きしていたときが、まさに三角関係の時代でした。

なんで、こんなことを書くのかというと、私の出身地は田中角栄の選挙区で、私が高校3年生のときに総理大臣になったことから、その後の情勢を気にしてきたからです。そして、田中後の三角関係のバランス感覚を、田中角栄がキングメーカーとして仕切ってきたことを、田中邸の錦鯉の世話をするアルバイトをしながら、ずっと見てきたからです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕