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発達障害がある子どもは、いくつかの課題を抱えていて、望ましいとされる行動が取りにくいことがあります。そのような子どもに、発達障害児の改善に使われている応用行動分析が活用されることが多くなっています。

応用行動分析(Applied Behavior Analysis)はABAとも呼ばれていて、人間の行動を個人と環境の相互作用の枠組みの中で分析して、さまざまな問題の解決に応用していく理論と実践の体系を指しています。

応用行動分析は、行動分析の研究によって蓄積された知見を実社会の諸問題の解決に応用しようとする試みの中で生まれたもので、教育、医療、福祉、介護などの幅広い領域で成果を上げ、実践と研究が進められています。発達支援には1980年代から応用され、多くの実績が得られています。

発達障害児の改善の場合には、行動の前後を分析することで行動の目的を明らかにして、前後の環境を操作して問題行動を解消する分析方法のことをいいます。問題行動の前に、どのような状況(Antecedent)があり、どのような行動(Behavior)が起こり、どのような結果(Consequence)になったのかという情報を集めることが必要で、この情報収集はABCと表現されています。状況は先行刺激、結果は後続刺激と呼ばれています。

子どもの行動を客観的に捉える方法であり、子どもの行動を変える方法ともなっています。この方法によって、子どもにかける言葉を変えることで行動が大きく変わることから「魔法の言葉」と言われることもあるのです。

具体的な分析の方法については徐々に紹介していきますが、目の前の困難さや、その解決ために苦慮しているときに、立ち止まり、大きく捉えて考えてみるということも大切だとの認識で紹介していきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

カルシウムの必要量は年齢によって異なっています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、1日の推奨量は男性では18〜29歳で800mg、30〜74歳で750mg、75歳以上で700mg、女性では18〜74歳で650mg、75歳以上で600mgとなっています。

この摂取量は吸収率が関係しています。18〜74歳の女性は650mgとされていますが、この年代は1日に190〜200mgのカルシウムが必要になります。カルシウムの吸収率は約30%であるので、その逆算から650mgと計算されています。

男女ともに、どの年齢においても同じように計算されていますが、高齢者の場合には、これだけでは不足します。というのは、カルシウムが吸収されるためには条件があって、年齢を重ねると条件が悪くなってくるからです。

その条件というのは、カルシウムはイオン化してから吸収されることです。胃液が多く分泌されることでイオン化が進んでいきますが、年齢を重ねると胃液の分泌量が減っていきます。胃液の分泌量は個人差が大きいものの、加齢による減少は共通しています。

高齢になると食欲があっても多くの量が食べられなくなるのは、胃液の分泌量が減っていくからで、その変化に合わせるようにカルシウムの吸収率も低下していきます。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(令和元年)の結果によると、男性では50〜59歳で471mg、60〜69歳で533mg、女性では50〜59歳で472mg、60〜69歳で539mgとなっています。

50〜59歳の充足率は男性では約63%、女性では約73%、60〜69歳は男性では約71%、女性では約83%となっています。若い年齢層よりも充足率は高くなっているものの、17〜37%が不足しています。胃液の分泌量による吸収率の低下を考えると、まだまだ多くのカルシウムを摂取する必要があることがわかります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

中鎖脂肪酸はMCTと略されていることは、最近のテレビやネットのコマーシャルで広まっています。脂肪であっても、機能性がある商品なので、健康食品と同様に表現に規制がかかっています。そのために、どんな機能があるのか、なかなか伝わらない状況があります。

MCTはMedium Chain Triglycerideの略で、日本語の中鎖脂肪酸は直訳的な表現です。脂肪酸は炭素、水素、酸素が鎖のようにつながっていて、その鎖の長さが中程度という意味です。

一般に脂肪酸と呼ばれている動物や植物の脂肪酸は長鎖脂肪酸と呼ばれています。長い鎖なので、これを分解するのに消化液が多く必要で、消化にも時間がかかります。これに対して中鎖脂肪酸は消化が早く、早く吸収されて、エネルギーにもなりやすいので、太りにくい脂肪酸ということがアピールされています。

エネルギーになりやすいというのは、細胞の中でエネルギー代謝を起こすミトコンドリアに入りやすく、そのために効率的にエネルギー化されるということを指しています。

長鎖脂肪酸はミトコンドリアに取り込まれるときには、代謝促進成分のL‐カルニチンと結びつく必要があります。結びつくことによってミトコンドリアの膜を通過することができます。

これに対して、中鎖脂肪酸は単体でもミトコンドリアの膜を通過することができます。L‐カルニチンは体内で合成されるものの、そのピークは20歳代前半で、年齢が進むほど合成量が減り、そのためにエネルギー代謝が低下していきます。

中鎖脂肪酸はL‐カルニチンの量に関係なく、ミトコンドリアに取り込まれて、効果的にエネルギー化されるので、太りにくいというだけでなく、作り出されたエネルギーを使って、全身の細胞を活性化させることができます。

このメカニズムを簡単に、エネルギー化しやすいと表現しているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

健康食品は食品であるので、誰が使ってもよいというのが大前提です。誰が、ということは病気の人が、その状態を改善するために使ってもよいわけですが、病気を治すような効果は表示することは法的に禁止されています。

これは健康食品を医薬品と勘違いして、本来の医薬品を使わない、治療を受けないことによって病気を悪化させるようなことがないように、というのが法律の主旨です。

病気の人が使うものではないということで、機能性を確認する試験でも、病気の人は試験対象から除外されています。それは高血圧の人が使うことが予測される商品なら、高血圧症と診断された人が排除されるということだけではなく、糖尿病や脂質異常症の人であっても試験対象とはされていません。

健康食品は、健康になる食品というよりも、病気ではない健康状態にある人が、今の状態を維持するものという印象が持たれています。

病気の人が試験対象者として外されるのは、このような生活習慣病関連の素材を用いた商品の試験だけでなく、生活習慣病と直接は関係がない商品(膝痛改善や視力改善など)であっても、試験対象にはなりません。

試験を実施する前の段階では病気であることがわからなかった場合でも、試験を実施した結果、病気であることがわかったときには、どうなるかというと、病気の人を除外して、その他の問題がなかった人のデータを使えばよいということではありません。その試験自体が無効となります。

そのため、試験を実施する前には、血液検査などの基礎試験をして病気でないことを確認しておかなければならないのです。このことは、機能性を表示して販売される健康食品(特定保健用食品、機能性表示食品)でも同じです。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕

この連載コラムの10回目に「1歩の経済的価値」との題で、何人が何歩を歩くと、どれだけ医療費が削減できるのかについて実例を紹介しました。1歩の経済的価値を知って、多くの自治体が実施して、成果が発表されてきましたが、徐々に効果が現れにくくなっていくのは、ほとんどの自治体で見られたことです。

結果がよければ、もっと歩く歩数(距離と時間)を増やそうと考えるところですが、ただ歩数を増やせば、好結果が拡大していくとは限りません。このことは、ウォーキングによる健康づくりと医療費削減がモデル地域で始められたときから言われてきたことです。

たまたま実施している協議会の学術メンバーの4人と以前からの知り合いで、取りまとめをした大学教授とも交流があったことから、実施プランの段階で話をしてきました。モデルケースで検討課題となったのは、呼びかけに応じて参加するのは、普段から歩いている人、健康を気遣っている人であって、最も参加してほしい運動習慣がない人、健康への関心が低い人の参加率が低いことでした。

また、積極的なウォーカーは継続してくれるのに対して、あまり積極的でない人は継続率が低くて、地域の健康度を高めるためにモチベーションを高める方法が重要とされました。その高める方法は歩いた歩数、健康維持に必要なイベントなどへの参加をポイント化して、それが商品や金券になるという利益の付与でした。

これだけでは参加してほしい人が積極的になるためには不足していることがあり、それを新たな仕組みとして作ることが重要です。それは金銭的なメリットではなく、地域での活躍につながる評価や名誉に関わるメリットです。
(このことについては徐々に紹介していきます)
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

東京にいたときのこと、時代考証を仕事とする人と何度か仕事をしていました。その当時は作家団体の理事を務めていて、“江戸を歩く”という趣味活動をしている作家や編集者もいれば、時代小説の作家と時代考証家の集まりもあって、よく参加していました。当時の私は“酒のペンクラブ”の会員でもあって、江戸時代から続く飲み屋、その伝統を受け継いでいる飲み屋にも詳しかったので、よく集まりに呼ばれていました。

そのときに交わした話で、特に記憶として鮮明に残っているのは、時代考証(歴史考証とも)のとおりにしたくても、読者や一般の方々の印象と違っている事実を、どのように扱うかという議論でした。

時代考証の専門家といっても、江戸時代に生きていたわけではないので、自分自身の経験で語ることはできません。そこで参考文献をもとにして考察しているわけですが、その参考文献となっているのは当時の文書や浮世絵です。そこで江戸時代の実際のところを知ると、テレビの時代劇を見るたびに違和感を感じて、イライラすることもあり、事実を知らなければよかったという気持ちにもさせられます。

特にイライラさせられるのは、馬の大きさです。時代劇に出てくる馬は、当時の大きさの馬ではなくてサラブレッドです。サラブレッドは明治時代になって持ち込まれたもので、それまでは在来馬で、木曽馬などの小柄の馬種でした。

江戸時代の馬の体高(肩の高さ)は120cmほどで、高いものでも140cmでした。サラブレッドは160〜170cmなので、40〜50cmもの差があります。サラブレッドに乗ってみると、その高さに戸惑います(実際に乗ってみたことがあります)。体高が120cmというとポニーよりも小さなサイズです(ポニーの体高は147cm以下)。

体高が違うと、馬にまつわるシーンも随分と違ってきて、それだけでも時代劇の印象が大きく違ってきます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

広く健康に関わる記念日について紹介します。

6月1日 日本冷凍事業協会が陰暦の6月1日が江戸時代の氷室の日であったことから「氷の日」と制定。日本チューインガム協会が6月1日は歯固めの日として硬いものを食べて健康増進を図る風習があることから「チューインガムの日」と制定。全国鮎養殖漁業組合連合会が鮎の旬が6月であることから「鮎の日」と制定。Jミルクが国連食糧農業機構の世界牛乳の日に合わせて「牛乳の日」と制定。SomethingNEW(東京都港区)が6をロール、1をアルファベットのIに見立ててアイスと読んで「ロールアイスクリームの日」と制定。梅研究会(大阪府大阪市)が梅の実のシーズンの6月の初めの日を「梅肉エキスの日」と制定。
毎月1日は「あずきの日」(井村屋グループ)、「釜飯の日」(前田家)、「Myハミガキの日」(ライオン)。

6月2日 日本シュリンク包装卵協会がオム(06)レツ(02)の語呂合わせで「オムレツの日」と制定。平松食品(愛知県豊川市)が佃煮誕生のきっかけとなったとされる本能寺の変(1582年6月2日)に由来するとともに、甘露煮の露(6)煮(2)の語呂合わせで「甘露煮の日」と制定。(本能寺の変を知った徳川家康が岡崎に逃げる途中で小魚を煮たものを食べたと伝えられる)

6月3日 国連デーの一つの「世界自転車デー」。毎月3日は「くるみパンの日」(カリフォルニアくるみ協会)、「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。

6月4日 日本歯科医師会が虫(64)の語呂合わせで「虫歯予防デー」と制定。大源製薬(兵庫県尼崎市)が水虫が急増する梅雨入り前の時期で、む(6)し(4)の語呂合わせで「水虫治療の日」と制定。日糧製パンが蒸し(64)パンの語呂合わせで「蒸しパンの日」と制定。マルヤナギ小倉屋(兵庫県神戸市)が6月が食育月間で、む(6)し(4)の語呂合わせで「蒸し豆の日」と制定。毎月4日は「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。

6月5日 国連人間環境会議の世界環境デーに合わせて「環境の日」と制定。ロコモティブ・シンドローム予防推進委員会が6と5でロコモ、老後と読む語呂合わせで「ロコモ予防の日」と制定。神戸市老人福祉施設連盟が、ろう(6)ご(5)の語呂合わせで「ろうごの日」と制定。六甲バター(兵庫県神戸市)が6を六甲、毎日1個はベビーチーズを食べてほしいとのことから6月の第一日曜日を「ベビーチーズの日」と制定。毎月5日は「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。

6月6日 岩下食品(栃木県栃木市)が6月はらっきょうの旬で、漢字の六は根菜のらっきょうが土の中で成長するのをイメージさせ、数字の6がらっきょうの形に似ていることから「らっきょうの日」と制定。全国農業組合連合会山形県本部が6月がさくらんぼの収穫の最盛期で、6がさくらんぼのシルエットに見えることから「山形さくらんぼの日」と制定。大麦工房ロア(栃木県足利市)が麦秋の季節の6月と大麦をO(オー)6(麦)と読むことから「大麦の日」と制定。紀州梅の会が室町時代の天文14年4月17日(現在の6月6日)に京都の賀茂神社の例祭で梅が献上された故事から「梅の日」と制定。丸美屋食品工業が麻婆豆腐の素の発売日で、6が麻婆豆腐を食べるレンゲをイメージさせること、6+6=12(とうふ)で「麻婆豆腐の素の日」と制定。アイケイ(愛知県名古屋市)がロー(6)カロ(6)リーの語呂合わせと、無理(6)をしない無駄(6)にカロリーを摂取しないの意味を込めて「ローカロリーな食生活の日」と制定。日本補聴器工業会が6が補聴器を耳の装着している姿に似ていることから左右の耳の66で「補聴器の日」と制定。6月6日はロールケーキの日実行委員会(福岡県北九州市)がロ(6)ールケーキの語呂とロールケーキの形が6の字が巻いているように見えることから「ロールケーキの日」と制定。毎月6日は「メロンの日」(全国メロンサミットinほこた開催実行委員会)、「手巻きロールケーキの日」(モンテール)、「手巻きロールの日」(モンテール)。

6月7日 緑内障フレンド・ネットワークが緑(6)内(7)の語呂合わせで「緑内障を考える日」と制定。むち打ち治療協会が、む(6)ち打ちをな(7)おそうの語呂合わせで「むち打ち治療の日」と制定。毎月7日は「生パスタの日」(全国製麺協同組合連合会)。

6月8日 ガパオ食堂のベース(東京都渋谷区)が設立日の2007年6月8日にちなんで「ガパオの日」と制定。スーパーホテル(大阪府大阪市)が地球環境と健康を意識した行動様式のLohasの取り組みを知ってもらうためにロ(6)ハ(8)スの語呂合わせで「ロハスの日」と制定。毎月8日は「生パスタの日」(全国製麺協同組合連合会)、「歯ブラシ交換デー」(ライオン)、「にわとりの日」(トリゼンフーズ)、「ホールケーキの日」(一柳)。

6月9日 ゼネラル・オイスター(東京都中央区)が岩=ロック(69)の語呂合わせで「岩牡蠣の日」と制定。小久保製氷冷蔵(千葉県八千代市)がロック(69)の語呂合わせで「ロックアイスの日」と制定。毎月9日は「クレープの日」(モンテール)。

6月10日 ポッカサッポロフード&ビバレッジがリボンシトロンの前身のシトロンの発売日の1909年6月10日にちなんで「リボンシトロンの日」と制定。伊豆ところてん倶楽部が、ところ(6)てん(10)の語呂合わせで「ところてんの日」と制定。ローストビーフの通販たわら屋(静岡県菊川市)がロー(6)スト(10)の語呂合わせで「ローストビーフの日」と制定。森永製菓が1913年6月10日にミルクキャラメルが初めて販売されたことにちなんで「ミルクキャラメルの日」と制定。伊藤園が無(6)糖(10)の語呂合わせで「無糖茶飲料の日」と制定。ちから(広島県広島市)が、うどんと和菓子を一緒に食べる食文化の普及を目的に、うどんと和菓子の店として同社が創業した1935年6月10日にちなんで「うどんと和菓子をいっしょに食べる日」と制定。ドールがスム(6)ージー(10)の語呂合わせで「Doleスムージーの日」と制定。オタフクソースが食育基本法が成立した2005年6月10日にちなんで「てっぱん団らんの日」と制定。日本眼科啓発学会が6歳までに視力0.1に成長するのが大事ということで「こどもの目の日」と制定。ロート製薬がロ(6)ート(10)の語呂合わせで「ロートの日」と制定。毎月10日は「糖化の日」(AGE測定推進協会)、「パンケーキの日」(日本ハム)、「コッペパンの日」(全日本丸十パン商工業協同組合)、「アメリカンフライドポテトの日」(米国ポテト協会)。

健康食品の販売傾向の推移を見ていくと、新たな素材を使ったものが注目され、販売数も増えやすい傾向があります。新商品の販売実績のデータを見ても、同様の傾向があり、従来の商品ではなく、新たな商品、新たな素材を使った商品、有効性が言われている素材を使った商品、そして機能性表示食品が売れ筋商品となっています。

効能効果を期待させるような表示をしていて、実際には期待したような結果が得られなかった人には、同じ素材を使った健康食品は訴求力が落ちるところがあります。

店舗で販売される商品の場合には、既存の商品に対して同じ素材を使った商品が持ち込まれたときには販売しにくいということがあり、採用されにくいのは当然のことです。

店舗での販売でも通信販売でも、購入する人は自分の目的に沿った効能効果が期待されるものを選びます。健康食品のパッケージにも広告にも店頭の表示でも、医薬品的な効能効果を述べることは規制されているものの、従来から効能効果が知られてきた素材を使った商品と並べられて販売されていれば、それと同様の効果があることは容易に想像がつきます。

その中でも、新たな素材が使われた商品は注目度が高くなっています。人気の素材もあって、それを従来の素材に加えたものがありますが、その素材が配合量のトップでもなく、商品としての一押し素材でもなく、ただ加えただけということも実際には見られます。

バラエキスが女性に人気になったときに、ニオイ消し効果もあることから腸内環境を整えることを目的とした商品に使われていたのはわからないでもなかったのですが、なぜか膝関節への効果が目的とされた商品に使われていたときには強い違和感を感じました。

効果があることが知られている素材を使っていても、長く販売されてきたものは、どうしても販売の勢いが落ちてしまいがちです。そこで効果がある素材に、その効果を高めることが期待される新たな素材を加えるというのが、よくある方法といえます。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕

カルシウムの必要量は年齢によって異なっています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、1日の推奨量は男性では18〜29歳で800mg、30〜74歳で750mg、75歳以上で700mg、女性では18〜74歳で650mg、75歳以上で600mgとなっています。

この摂取量は吸収率が関係しています。18〜74歳の女性は650mgとされていますが、この年代は1日に190〜200mgのカルシウムが必要になります。カルシウムの吸収率は約30%であるので、その逆算から650mgと計算されています。

男女ともに、どの年齢においても同じように計算されていますが、高齢者の場合には、これだけでは不足します。というのは、カルシウムが吸収されるためには条件があって、年齢を重ねると条件が悪くなってくるからです。

その条件というのは、カルシウムはイオン化してから吸収されることです。胃液が多く分泌されることでイオン化が進んでいきますが、年齢を重ねると胃液の分泌量が減っていきます。胃液の分泌量は個人差が大きいものの、加齢による減少は共通しています。

高齢になると食欲があっても多くの量が食べられなくなるのは、胃液の分泌量が減っていくからで、その変化に合わせるようにカルシウムの吸収率も低下していきます。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(令和元年)の結果によると、男性では50〜59歳で471mg、60〜69歳で533mg、女性では50〜59歳で472mg、60〜69歳で539mgとなっています。

50〜59歳の充足率は男性では約63%、女性では約73%、60〜69歳は男性では約71%、女性では約83%となっています。若い年齢層よりも充足率は高くなっているものの、17〜37%が不足しています。胃液の分泌量による吸収率の低下を考えると、まだまだ多くのカルシウムを摂取する必要があることがわかります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

細胞の中のミトコンドリアはエネルギー産生の小器官で、一つずつは小さな存在ですが、数が多くて、細胞によって差は大きいものの、200〜2000個ものミトコンドリアが存在しています。全身の細胞のミトコンドリアの重量を合わせると、全体重の10%にもなります。それくらい重要な器官であり、エネルギーが多く作り出されないと正常な働きができないことになります。

ミトコンドリアでエネルギーを作り出すのはTCA回路というエンジンなような働きをする部分で、三大エネルギー源(ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸)はTCA回路で使われる高エネルギー化合物のアセチルCoAに変化します。

そして、アセチルCoAがTCA回路の中で9段階を経て別々の酸になり、一周してくるとATP(アデノシン三リン酸)は発生します。これはエネルギー代謝として、一般に説明されているメカニズムです。

ATPが発生するというと、何もなかったところからATPが作り出されるようにイメージする人もいるかと思いますが、ATPはアデノシンにリン酸が3つ結びついた形をしていて、その一歩手前ではリン酸が2つ結びついたADP(アデノシン二リン酸)となっています。

TCA回路では複雑な変化をしながらリン酸を1つ増やしているだけということも言えるわけですが、ATPからADPになるとき、つまりリン酸が1つ離れるときにエネルギーが発生しています。

ATPはエネルギーではなくて、あくまでエネルギー物質というエネルギーを含んでいる物質でしかありません。ATPからADPになるときには酵素が必要で、その酵素を働かせるためには補酵素のコエンザイムQ10が必要になります。

サプリメント成分でもあるコエンザイムQ10はダイエット成分としても知られていますが、実際には全身の細胞でエネルギー産生の最終段階で必要になる代謝促進成分だったのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)