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自分で栄養計算が簡単にできる100kcal単位の栄養学のアドバイスをする前に、バランスのよい食事について紹介させてもらいます。“バランスのよい食事”という言葉は普段から使われていますが、どんな栄養素をバランスよく摂ればよいのかということまでは充分に理解されていないようです。ここでいうバランスのよい食事は、たんぱく質、脂質、糖質(炭水化物)が、それぞれ理想的な摂取割合になっていることを指しています。多くの方が気にしているビタミンやミネラルなどの栄養素のバランスではないのです。
エネルギーを構成する三大栄養素(エネルギー源)のバランスはPFCバランスと呼ばれます。P(たんぱく質:protein)F(脂質:fat)、C(糖質:carbohydrate)の成人の理想的なバランスは、たんぱく質が13〜20%、脂質が20〜30%、糖質が50〜65%の割合となっています。この数値は「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に掲載されています。
以前の基準では、脂質は20〜25%でしたが、上限が増えたのは単純に脂質を増やしてよいということではなくて、飽和脂肪酸を7%以下にするという条件が加わったからです。植物油や魚に多い不飽和脂肪酸を増やし、肉類などに多い飽和脂肪酸を減らすことを示しています。
子どもの場合には、飽和脂肪酸を14歳以下では10%以下、15〜17歳は8%以下とされていますが、これ以外のPFCバランスは成人と変わりがありません。
エネルギーの単位はkcal(キロカロリー)であり、食品のエネルギー量の合計は三大栄養素を摂取した合計ともなっています。しかし、食品の摂取割合は重量(g)で表されることが多く、重量からはエネルギー量は把握しにくいところがあります。たんぱく質は1gが約4kcalに相当します。脂質は1gが約9kcal、糖質は1gが約4kcalとなっています。
このため、わかりやすくするために、三大栄養素をエネルギー量(kcal)に換算して、3種類の比率をパーセントにしたものがPFCバランスとなります。エネルギー量から1日の理想的な栄養バランスを食品に分類すると、1日に摂取するべきエネルギー量のうち50%が主食、25%が主菜、25%が副菜となります。

ファスティングという言葉のあとに、ダイエットが続くことが多くみられます。ファスティングの効果としてダイエット効果は比較的早く得られるもので、ダイエットは健康面、美容面でも好結果を生み出しやすいだけに、ファスティングの目的としてダイエットを掲げる例も少なくありません。
ダイエットというと、一般にはやせること、やせるために食事を減らすことだと考えられがちです。ダイエット(Diet)の元々の意味は方針、政策、作戦、戦略といったことで、国の方針を決めて実行させる国会は英語では「The Diet」と表記されます。日本の国会議事堂はNational Diet buildingで、地下鉄の国会議事堂前駅は「National Diet bldg.」と表示されています。
正しい方針に基づいて実施するのがダイエットであり、そこから転じて正しい食生活をすることがダイエットとなりました。また、健康維持のために運動をすることもダイエットという言葉が使われるようになりました。栄養過多や運動不足によって太った人が体脂肪を減らして健康的になることがダイエットだけでなく、標準よりもやせすぎている人が健康維持のために体脂肪を増やすこともダイエットだということになります。
少なくとも無理をして、健康を害してまでやせようとすることは、本来の意味のダイエットではないことになります。ファスティングのあとに続くダイエットは、もちろん健康的な方法でなければならず、ファスティングを実践した結果として、より健康体にならなければ意味がないことになります。
ファスティングによるダイエットの基本となるのは食事量を減らすことによる体脂肪の減少が本来の目的ではありません。これまでの食生活によって乱れた腸内環境を正常な状態に整えることによって消化、吸収に続く排泄をスムーズに行わせることであり、腸内細菌の善玉菌を優位にさせて悪玉菌が作り出す毒素(有害物質)を減らすことが一つの目的です。また、毒素に加えて、食事とともに体内に入ってきた有害物質を体外に排出するデトックスによって、全身の細胞の働きを正常にさせることも大きな目的の一つです。

広く健康に関わる記念日について紹介します。
1月26日 カゴメが年末年始で食生活が乱れやすい1月とフ(2)ロ(6)ーラの語呂合わせで「腸内フローラの日」と制定。ニッピがコラーゲンの特許を出願した1960年1月26日を記念して「コラーゲンの日」と制定。毎月26日はプ(2)ル(6)ーンの語呂合わせで「プルーンの日」(サンスウィート・インターナショナル日本支社)。
1月27日 JA岡山西船穂町花き部会がスイートピーの本格的シーズンの1月と、いい(1)ふ(2)な(7)おの語呂合わせで「船穂スイートピー記念日」と制定。
1月28日 人物や物事のエピソードから本質を探ることの大切さを知ることを目的に、い(1)つ(2)わ(8)の語呂合わせで「逸話の日」と制定。毎月28日はに(2)わ(8)とりの語呂合わせで「にわとりの日」(日本養鶏協会)。
1月29日 森永製菓が筋肉の重要性とタンパク質の関連性を知って積極的にタンパク質を摂ってもらうことを目的に筋肉から金(筋)曜日が29日になる日を「筋肉を考える日」と制定。毎月29日は幸福な気持ちになれる和菓子の販売促進のために福(ふく)にちなんで「ふくの日」(日本アクセス)、数字の9がクレープを巻いた形に似ていることから9がつく日は「クレープの日」(モンテール)。
1月30日 大麦工房ロアがイソフラボン、大豆サポニン、大豆オリゴ糖の入ったおからを原料とした菓子の普及を目的にイソフラボン(1)、大豆サポニン(3)、オリゴ糖(0)の語呂合わせで「おからのお菓子の日」と制定。毎月30日は肉(29)を食べた次の日(30)は魚を食べてEPAを摂ってほしいとして「EPAの日」(日本水産)。
1月31日 ケンミン食品が2020年1月31日に焼ビーフンが世界一長く販売されているビーフンブランドとしてギネス世界記録に認定されたことから「焼ビーフンの日」と制定。カゴメが野菜を愛することを愛菜として1をアイ=愛、31をサイ=菜と読む語呂合わせで「愛菜の日」と制定。毎月31日は野菜の菜をさい(31)と読む語呂合わせで「菜の日」(ファイブ・ア・デイ協会)。
2月1日 スマートウェルネスコミュニティ協議会、日本老年学会、日本老年医学会、日本サルコペニア・フレイル学会が2月1日を201としてフ(2)レ(0)イ(1)ルの語呂合わせで「フレイルの日」と制定。トーラクが神戸プリンが初めて販売された1993年2月1日にちなんで「神戸プリンの日」と制定。明治がプロビオヨーグルトLG21から「LG21の日」と制定。ロッテがガーナチョコレートが誕生した1964年2月1日にちなんで「ガーナチョコレートの日」と制定。富士商会が同社の設立日(1950年2月1日)にちなんで「メンマの日」と制定。毎月1日は「釜飯の日」(前田家)。

同じ漢字で発音が違う異音異義語を紹介しています。今回は、か行の“か”から始まる異音異義語の第2回です。
風車「かざぐるま」紙やセルロイドなどで作った車輪型の羽根に柄をつけて風力でまわすもの。「ふうしゃ」風を羽根車で受けて動力を得る装置。
風潮「かざしお」台風などのために起こる高潮。「ふうちょう」風に吹かれて生ずる潮の流れ。時代の移り変わりによって生ずる世の中の傾向。
風袋「かざぶくろ」風の神の持っているという袋。武具の指物の一、吹流しに似て裂け目なく底があって袋になっているもの。「ふうたい」秤で物を量るときの品物の容器・上包・箱・袋など。うわべ、みかけ、外観。
河岸「かし」河川の岸の舟から人または荷物を揚げおろしする所。河岸に立つ市場。事をする場所、特に飲食・遊興する場所にいう。河岸見世の略。「かわぎし」川の岸、川のほとり。
荷重「かじゅう」重さや負担などが限度を越えていること、おもすぎること。「におも」荷の重いこと、責任の重過ぎること、負担過重。
拍手「かしわで」神を拝むとき手のひらを打ち合わせて鳴らすこと。「はくしゅ」手を打ち鳴らすこと、激励・祝意などを表すために手を打つこと。
春日「かすが」福岡県北西部の市。奈良市春日野町春日神社一帯の称。奈良市およびその付近の称。「はるび」春の日、日の長いこと。
方々「かたがた」人々の敬意を含んだ言い方。あちらこちら。「ほうぼう」あちらこちら。さんざん。
下段「かだん」下の段。「げだん」下の段。剣道または槍術で刀の切先または槍の穂先を低く下げて構える型。

新型コロナウイルス対策の一番の方策は、経済について考慮しないのならロックダウン(都市封鎖)です。新型コロナウイルスに感染した人を国や地域に入れない、地域で行動する人を抑制する、感染者は完全隔離するということをした上に、ワクチン接種ということになります。
そんな経済を無視しなければならない厳しい状況に陥らないために、「できるところからやる」というのが今できる対策ですが、一都三県の緊急事態宣言で注目されていたのは高齢者への対応です。高齢者は感染リスクが高く、感染したあとの状態も悪く、後遺症も強く出るということで、高齢者への感染を防ぐために高齢者の外出自粛が求められています。基礎疾患の高血圧、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)がある人はリスクが高く、さらに高齢者で基礎疾患がある人は高リスク者ということで、外出を避け、飲食も避けるように、とされています。
このことについては、首相と都知事が面談したときに、GoToトラベルキャンペーンの利用自粛を高齢者と基礎疾患がある人を対象としたことの影響を受けているようです。
飲食店の時短要請だけでなく、営業制限をする時間以降の外出も自粛要請する、それを強制力をもって実施するわけではないので、リスクが高いとされている人から自粛要請を強くするという判断はわからないではありません。しかし、高齢者は本当に外出でのリスクが高いのかというと、実際には外での飲食で感染を広げているのは10代から50代で、その年代の人たちが家庭に持ち帰って家庭内で高齢者が感染しているのが実際です。
さらに旅行そのものの感染率は低いと専門家が提言して、GoToトラベルキャンペーンをなかなか中止しなかったことから考えても、高齢者の旅行を減らせばよいという考えは当たらないはずです。
こういった根本的な対処をせずにワクチン接種を急ごうというのは、ワクチン接種で儲けようとしている人たちの作戦ではないか、他に隠れている意図があるのではないか、という声が出てくるのも当然のことといえます。

80kcalを1単位とする栄養学は戦後の緊急措置で始まりましたが、今では一食の食品ごとの摂取エネルギー量は100kcal前後となり、単位では1.2ほどとなっています。単位にすると、かえってわかりにくく、そもそも100という十進法であれば他に換算する単位を持ち出すこともなく、簡単に計算することができます。
健康的な食生活の指標として出されている摂取エネルギー量の1600kcalを例にすると、一般には糖質の割合は50%とされるので、800kcalを主食から摂るようにします。ご飯の量は茶碗1杯分(普通盛り)が200kcalなので、1日にご飯なら4杯分となります。パンは5枚切りが1枚で200kcalとなります。5枚切りは西日本が主流で、東日本では6枚切りが基本なので、6枚切り1枚は160kcalくらいになります。麺類は1玉が300kcalであるので、麺類は案外とエネルギー量が多いことがわかります。
健康のための食事は「腹八分目」という言葉で表されるように、治療食であれば80kcalを単位として減らすようにしてもよいでしょうが、成長期の子どもの適切な栄養摂取ということでは100kcalのほうがわかりやすく、食品選びも簡単で、実施しやすくなります。
活動や運動による消費エネルギー量は100kcal単位で示されるので、飲食による摂取エネルギー量も100kcalであれば、活動量に合わせて摂取量をコントロールすることも理解しやすくなります。
おかずでは、100kcalは肉も魚も1切れの量になり、卵は1個、牛乳はコップ1杯、りんごは1個というように、食品選びも100kcalの単位で選びやすくなっています。100kcal単位なら、摂取エネルギー量をプラスするのもマイナスするのも簡単で、料理を作る保護者がわかりやすいのが発達栄養の支援の第一といえます。

ファスティングを実践するときには期限が設けられています。人間の身体は食事をして、これをエネルギー源にすることで生命維持をしているので、エネルギー源となる糖質、脂質、たんぱく質を断つことができる期限は限られています。もちろん個人差はあり、性別や年齢によっても差はあるものの、生理学的な限界は決まっています。
遭難して水も食べ物も摂ることができない状況で、生命維持ができる期間は一般に3日間だと言われています。水分しか摂れない状態では3週間とされていますが、水分さえあれば全身の細胞の代謝を保って、身体に蓄積されたエネルギー源であるグリコーゲンと体脂肪を利用して、生命を維持していくことができます。その期間が3週間とされているわけですが、蓄積されているグリコーゲンと体脂肪が多いほうが飢餓状態に耐える期間が長引くことになります。
遭難しても女性のほうが長く生きられるのは、女性は男性に比較して体脂肪の量が平均的に10%ほど多くなっているからですが、その代わりに男性は筋肉が多くなっています。グリコーゲンは筋肉に蓄積されていて、筋肉が多いほど蓄積量が多くなっています。グリコーゲンはグルコース(ブドウ糖)が結合したもので、肝臓と筋肉(主に骨格筋)で合成され、筋肉に蓄積されています。そして、体内でブドウ糖が不足したときにはグリコーゲンが分解されて、血液中に放出されます。
三大エネルギー源の中でもブドウ糖は最も早くエネルギー化される性質があり、全身の細胞はブドウ糖を取り入れて、細胞内のエネルギー産生の小器官であるミトコンドリアの中でエネルギー物質を作り出しています。
脂肪は脂肪細胞の中では中性脂肪の形となっています。脂肪の最小単位は脂肪酸で、この脂肪酸3個とグリセロール1個が結びついた構造となっています。脂肪酸もミトコンドリアの中でエネルギー物質を作り出す材料となっています。体内の脂肪酸が不足すると、脂肪細胞に蓄積された中性脂肪が分解され、血液中に放出されています。
タンパク質は全身の筋肉や臓器、器官などを構成する重要な成分であるために、本来なら分解されてエネルギー源として使われることはないものです。しかし、体内のブドウ糖と脂肪酸が限界に近いほど不足した場合にはタンパク質が分解されてアミノ酸となり、いくつかの過程を経てブドウ糖となります。あまりに栄養が不足した状態が長く続くと、筋肉が分解され、さらに内臓を構成するタンパク質が分解されることになって、さまざまな疾患が引き起こされることとなります。

同じ漢字で発音が違う異音異義語を紹介しています。今回は、あ行の“お”から始まる異音異義語の第5回と、“か”から始まる異音異義語の第1回です。
尾鰭「おひれ」尾とひれ。つけ加えるもの。「おびれ」魚類・無顎類などの体の後端のひれで主に遊泳のとき推進の作用をする。
御守「おまもり」守り札。「おもり」補佐し守ること。子守。
重石「おもし」物をおさえるのに用いるもの。人を制し鎮める威力。秤のおもり。「じゅうせき」灰重石・マンガン重石・鉄マンガン重石などのタングステンを主成分とする鉱物の総称。
小山「おやま」栃木県南部の市。「こやま」小さい山、低い山。
外用「がいよう」薬を身体の外部に用いること。「そとよう」服や靴など外出に用いるもの。
外面「がいめん」外部に向いた面、そと側、うわべ、うわつら。「げめん」外側、うわべ、うわつら、がいめん。外に現れた顔つき、顔色。「そとづら」外側の面、がいめん。他人との対応・交際のときにみせる態度。
各行「かくぎょう」文章のそれぞれの行。「かくこう」それぞれの銀行。
蜻蛉「かげろう」トンボの古名。カゲロウ目の昆虫の総称。「とんぼ」トンボ目に属する昆虫の総称。蜻蛉魚の略。物をかつぐのに棒の前端に横木を渡してその両端を両人でかつぎ後端を一人でかつぐこと。神で蜻蛉の形に造り竹の先につけた玩具。桛車(かせぐるま)の略。とんぼがえりの略。十字型のしるし。
火口「かこう」火山の噴出物を地表に出す漏斗状の開口部。ボイラーの火焚き口。「ひぐち」火災の火の燃え口。銃砲の火気を筒に通す穴。点火する口。噴火口。

命の選別とされるトリアージは、新型コロナウイルスに感染して重症化した人に対して行われます。新たに対応できる医療スタッフ、医療機器、医薬品が1人分しかない病院に2人の患者が搬送されたら、どちらの患者に医療資源を投入するかの選別をしなければなりません。今現在、治療を受けている重症患者を一つランクを下げた治療に移して、2人分を確保するという方法もあるものの、移すための中等症のベッドがあいていないということもあります。さらに中等症患者を軽症に移すかホテル隔離に変更するという方法もあるものの、その隔離のためのホテルが足りない状況があります。ただ隔離をすればよいわけではなくて、しっかりと専門家が対応できる環境でなければならないので、まだまだ不足は解消されてはいません。
医療スタッフの不足は、受け入れている病院が分散化しているために効率がよくないことがあげられます。一時期、東京都内の公立病院をコロナ感染専門病院にして、ここに医療スタッフ、医療機器などを集中させることが提案されたことがありました。その検討に時間がかかっているうちに、病院の改装や移動をしている状況ではないというところまで進んでしまいました。
こうなると押し出し式に隔離ホテルの代わりになるところを探すことが重要になってきますが、その先としてオリンピックの選手村が検討されたことがあります。別々のホテルに隔離しているよりも一定の地域に集中させることで管理しやすく、感染者が出た場合でも素早く対応ができます。選手村となるマンションは約1万室、居住人数では1万8000人とされています。これだけの数があり、今は使われていなくて、このまま感染拡大が続いたらオリンピックは開催されないのではないかと言われる中、早急に検討、対応をしていれば隔離は大きく進んでいたと考えられています。
医療崩壊が目の前に迫っている状況では間に合わないのかもしれませんが、さらなる拡大、変異種になる新たな感染も予想される中にあっては、まだまだ着手すべきことは、いくらでもあるということの象徴とされていることです。

日本の栄養学は80kcalを1単位とするわかりにくい数字が基本になっていると前回、説明しました。この80kcalは食糧難の“戦後の緊急措置”として始まったということも紹介しました。では、戦争の前の基本のエネルギー量は、どれくらいの量だったのかというと、今のような栄養学の教科書のように詳細のエネルギー量と重量を示したものではありませんでした。80kcalを基本とすることが示されたときに、食品交換表が発表され、食品群ごとに食べるべき食品の分量が示されたことから栄養教育に適した内容だったことで、戦前の大雑把な栄養指導に比べると画期滴な内容でした。
しかし、問題となるのは食糧難で減らした80kcalの内容が、今では通常に食べられる量となり、食卓に並ぶ食品のエネルギー量を測定すると日常的には100kcal前後となっていることです。教育で使われ、栄養指導のときに示される分量(エネルギー量と重量)が現状と合っていないことです。
日本の栄養学が始まったのは明治時代のことで、陸軍の軍医であった森林太郎(作家の森鴎外)が22歳でドイツに留学して学んできたのは100kcalと単位とする方法でした。軍隊の役割や労働量によって摂取すべき食品を100kcal単位で決めて、その倍数、つまり200kcal、300kcalというようにして、全体の食品の量を100kcal単位で2500kcalなどというように決めていました。
日本で初めて栄養の研究所が創設されたのは大正9年(1920年)のことで、現在の国立健康・栄養研究所の前身である栄養研究所(当初は営養研究所)です。初代の所長の佐伯矩(ただす)医学博士は100kcal単位の栄養学を推進して、栄養学会、佐伯栄養専門学校を設立して卒業生に栄養士の称号を与えています。
日本の栄養学研究は100kcal単位を基本としていたのが、今から75年前の終戦後の食糧難から実際に一食あたりに食べられる食品の量が80kcalに減ったことから緊急措置で80kcalにしたわけです。それが女性の栄養教育に取り上げられ、低エネルギー量の食事を推奨する医学系の学会に採用されてから、なぜか今まで前例主義で受け継がれてきました。
この流れを100kcal単位というわかりやすいものに変えようとしたのが“100kcal栄養学”の考え方です。