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「ストレス太り」という言葉があります。ストレスが溜まってくるとイライラして、ついつい食べすぎてしまうというのが一般に言われる要因です。ストレスを解消するためには脳のエネルギー源であるブドウ糖が有効で、甘いものを食べることで一時的にストレスが抑えられるようになります。それは一つの要因であって、ストレス解消を食べ物に求めなければ太るようなことはないように思われがちです。
ところが、食べるものの量が変わらなくても、ストレスを強く感じるだけで太ってくることがあり、そのメカニズムも解明されています。これはメディカルダイエットの講習のメインとなっているタイミングダイエットにも関連することです。
ストレスには精神的ストレスと肉体的ストレスがあります。どちらが原因であっても、ストレス状態は、そこから逃れようとする反応が起こります。その反応でダイエットと関わるのはエネルギーの確保です。その場から走って逃れようとするときには、すぐにエネルギー化されるブドウ糖が多く必要となります。しかし、食事から時間が経過していると血液中のブドウ糖の量は少なくなっています。
そのままでは走って逃げることができなくなることから、筋肉の中に蓄積されているグリコーゲンが分解されて、血液中にブドウ糖が放出されます。走って逃げるためであれば、このブドウ糖を消費して、血液中のブドウ糖が長時間に渡って濃い状態にならないようにすることはできます。しかし、精神的なストレスであった場合には、それほど多くのブドウ糖は必要にはなりません。
血液中で余った状態になったブドウ糖は、肝臓に運ばれて、そこで脂肪酸に合成されます。そして、脂肪酸が3個結びついたエネルギー蓄積のための中性脂肪となって、脂肪細胞の中に蓄えられていきます。つまり、精神的なストレスが強まったときには、筋肉のグリコーゲンが減り、脂肪細胞の中の中性脂肪が増えるということになります。これが続くと、筋肉が少なくなり、太ってしまうということになるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

子どもの支援のための栄養学というと、基礎的な6大栄養素の役割と食品の種類の理解から始まるのが一般的です。まずは不足がないようにするのが重要ということで、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維の6大栄養素が教えられます。これは必要であり、身近な食べ物の意味を覚えるのは理解しやすい方法であることも承知しています。
しかし、発達障害がある人を対象とした発達栄養学は、エネルギー代謝から始めています。脳と身体が正常に機能するようにするためには身体のエネルギーが必要で、そのエネルギーを作り出すエネルギー代謝が行われている細胞のミトコンドリアの機能という、難しそうなところから、あえて始めています。というのは、発達障害の支援、中でも身体を成長させながら機能のためのエネルギーも多く必要とする子どものエネルギー代謝は機能の改善の中心となっているからです。
成長期の子どもに必要とされる飲食から取り入れる摂取エネルギー量は決して少なくはありません。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)によると、男児では3〜5歳で1400kcal、6〜7歳で1650kcal、8〜9歳で1950kcal、10〜11歳で2300kcalとなっていて、成人(18〜49歳)の2650kcalと比べて、身体の大きさからすると、かなり多くの量が必要なことがわかります。
発達障害児の場合には、心身のストレスが大きく、それに対応するだけでも多くのエネルギーが必要で、さらに改善のための運動や学習にも多くのエネルギーが必要です。できるだけ効果的に、多くのエネルギーを作り出して、脳と身体の機能向上に使ってもらうことを重視しています。それなのに、発達障害児では極端な偏食があり、エネルギー代謝を促進する成分の不足からエネルギー代謝が低下しやすくなっています。
そこで発達栄養学では、エネルギー代謝のためのビタミンB群、エネルギー源を代謝できる形にするための水溶性ビタミン、代謝酵素を働かせるためのミネラルなどを解説しています。そして、発達のために必要な栄養は、食事の困難さがあっても食べられるようにすることが重要であることから食べ方に関する情報も重視しています。それについては次回に紹介させてもらいます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

発達障害の自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害は他の状態と勘違いされやすいことから、誤診されやすいことをスクリーニングで排除し、それでも当てはまらないという状態でないと診断すべきではありません。その勘違いされやすいことの一つにギフテッドがあります。
ギフテッド(Gifted)は先天的に平均よりも高度な知的能力を持っている人を指す傾向で、アメリカでは「同世代の子どもと比較して、並外れた成果を出せるほど突出した才能を持つ子ども」と連邦教育省が1993年に定義しています。
ギフテッドはIQ(知能指数)が高く、特定の学術分野(数学、言語、芸術、音楽など)で高いレベルの潜在能力を持っていることが認められています。アメリカでは子どもの6%ほどにみられるとされています。アメリカではギフテッドの能力を最大限に引き出すためのプログラムが設けられていて、潜在能力を発揮させるカリキュラムが開発されています。
これに対して日本ではギフテッドの定義がないために診断がされず、発達障害と診断されることもあります。ギフテッドは自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害の両方と勘違いされることがあるものの、実態がわかれば自閉症スペクトラム障害との混同はなくなり、注意欠陥・多動性障害との混同を注意すればよいことがわかります。
注意欠陥・多動性障害は集中力がない、持続性がない、終わっていないのに次のことに移る、衝動的、他の人の前で自分の行動をコントロールできない、他の子どもに比べてエネルギーが溢れている、たくさん話す、会話やゲームに割り込む、ルールを守るのが苦手、勉強に必要なものをなくす、細かなところが見えていない、批判や評判に敏感といった特徴があります。

エネルギー代謝を高めて、エネルギーを多く作り出して、それを脳と身体の機能の維持と向上に役立ててもらおうというメディカルダイエットの手法は、多くの困難さを抱えている発達障害がある人に適した方法としてすすめています。食事と運動、食事と休養、運動と休養の組み合わせによる健康効果については、それぞれの分野の研究で進められてきているものの、まだ決定的な方法として構築されるところまでは至っていません。
食事と運動、食事と休養、運動と休養の実施タイミングを変えること、つまりどちらを先にするかでエネルギー代謝を変化させる方法については、公的な研究機関だけでなく、大学や民間の研究機関でも、あまり積極的には取り組まれてきていません。というのは、実施することは特に変わらず、その実施のために新たなテクノロジーや商品が必要なわけではない地味な分野だからです。
望むと望まざるとに関わらず、いつの間にかタイミングによるエネルギー代謝の変化はオンリーワンになってしまいました。「世界に一つだけの花」ではないのですが、ナンバーワンを目指して頑張りすぎることなく実践できることは、無理な競争をせずに快適に暮らしてほしい人たちには向いたものとなっています。
無理もしないで無駄もなく、生命科学に基づいて解明されたタイミングの変化だけで長期的に続けて、ずっと成果を実感できる方法は、お金も時間もあまりかけられない時代には特に向いています。
コロナ禍を経験して、いつ以前よりも酷いことが起こるかわからない時代に、発達障害の支援どころではないという声もあることは承知しています。その支援が、発達障害のことを理解して、自分の健康が維持できる方法であり、その“お裾分け”をするだけでよいとしたら、ハードルは急に低くなるのではないか、との思いで行動しているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

発達障害の改善の支援としてエネルギー代謝を高める方法を提供していますが、その方法は日常生活で簡単に実践できるものでなければなりません。どんなに正しい方法であっても、取り組みやすく、継続しやすいものでなければ、効果を継続的に得ることはできません。
エネルギー代謝は全身の細胞で常に行われています。どんなに多くの量を食べても、エネルギー代謝が盛んに行われていれば、余分なエネルギー源として脂肪細胞の中に脂肪(中性脂肪)が多く蓄積されすぎることはないはずです。それなのに食べ過ぎ、運動不足で簡単に太ってしまうのはエネルギー代謝が充分ではなくて、本来なら脳と身体の機能に使われるエネルギーが充分に作られていないという結果です。
そのエネルギー代謝を高める方法として、メディカルダイエットの研究の中で構築されたのが、食事と運動のタイミング、食事と休養(特に入浴)のタイミング、運動と休養のタイミングで、要は、どちらを先にするかでエネルギー代謝が変化して、それが発達障害への影響も変化させます。これは発達障害に限ったことではなくて、すべての人にも共通するもので、発達障害児の支援のために身につけた知識が、支援する立場の人にも直接的に役立つということで採用しています。
食事・運動・入浴のタイミングを変えるだけでエネルギー代謝が変化して、それが自身の健康につながることがわかれば、自信を持って周囲のエネルギー代謝向上が必要な人に伝えることができるようになります。無理をして食事量を変える、運動を頑張るということではなくて、これまでの生活を基本的に変えることなく、変えるのはタイミングだけという方法は、期間はかかるかもしれませんが、着実に効果が得られる生命科学に基づいた方法です。なかなか生活パターンが変えられない発達障害がある人と、その人たちを支える家族や周辺の方々に適した方法として発達障害の支援の講習などでも紹介しています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

発達障害がある人について理解して、社会的支援を進めていくことを目指している発達障害サポーターの講習は、発達障害の実態と、その特性を広く知ってもらうことが第一の目的です。それとともに、それぞれの人ができることから支援しようという気持ちを高め、できることなら実際の支援に着手してもらうことも目的として掲げています。
これを期待して、学んだ人たちが自主的に踏み出してもらうことを待つだけでなく、何をすればよいかわからないという人には、そのきっかけとなる知識を得る場も設けていきます。その知識の裏付けとなっているのは“エネルギー代謝”です。これは日本メディカルダイエット支援機構が多くの医学系学会の専門家の協力を得て研究を進めてきたことの成果で、その実績があるから、これを活かして発達障害の改善支援にも取り組んでいます。
エネルギー代謝というのは、身体の細胞の中で日々繰り返されている成長のためのエネルギーを作り出す働きのことです。エネルギー源の糖質、脂質、たんぱく質を材料にして、細胞内のミトコンドリアの中で酸素を用いて生化学反応が起こっています。ミトコンドリアはエネルギー産生の小器官ですが、すべてを集めると体重の10%ほどにもなります。それだけ重要な器官だということです。
生命の営みを細胞・分子レベルで研究して、人の暮らしや産業などに役立てようとする学問は生命科学と呼ばれていて、医学、生理学、薬学、栄養学、運動科学、理学などが中心となっています。これらに共通しているのはエネルギー代謝で、効果的にエネルギーを作り出し、そのエネルギーを身体機能の維持・向上に使うことを目的としています。
その効果的なエネルギー代謝のために、日常の食事・運動・休養を組み合わせて実践していくことはメディカルダイエットと呼ばれていて、その研究と実践を支援するのが日本メディカルダイエット支援機構の役割です。ダイエット(diet)というのは、元々は戦略、作戦、方針などを意味する言葉で、そこから派生して健康の維持・増進のための正しい方法を正しく実践することを意味しています。
医学的な手法でやせようということではなくて、医学・科学で裏付けられた正しい方向性に基づいた実践ということで、発達障害の改善のために体内で多くのエネルギーを作り出して、それを脳と身体の機能を高めるために使ってもらう方法について紹介しています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

タバコを吸っているときには太りにくいのに、禁煙をすると急に太るということを言う人がいます。実際に太ることがあるので、それを言い訳にしてタバコをやめようとしない人も少なからずいます。その理由として前回、食後にタバコを吸うと胃が激しく動き出して、まだ消化されていない段階で小腸に送られるので、吸収がよくないことを紹介しました。
では、吸っていたタバコをやめると急に太りだすのは、どうしてかということですが、一つには充分に消化されないまま小腸に送られていたものが、普通の消化、吸収になるからです。それで急に太りだすとしたら、それまで多く食べ過ぎていた影響といえます。食後の一服で胃から早く送り出されて、胃が楽になるからと、どうしても食べ過ぎの傾向があります。それほど多くの量を食べていなかったら、急に太るようなことにはなりません。
これとは逆に、禁煙したら順調にやせられるようになる人もいます。エネルギー代謝を高めて、ダイエットするためには必要な栄養素があります。エネルギー代謝に欠かせない4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)です。
消化がよくないために、食品の糖質やたんぱく質とともに含まれていたビタミンB群が吸収されにくくなっていた人は、充分に消化されるようになると吸収もよくなります。ビタミンB群の吸収率は種類や食事の条件によって違いはありますが、50〜60%です。これは充分に消化された状態でのことで、吸収率が高まれば吸収率も高まっていきます。
ビタミンB群は水溶性で、体内で保持される時間もビタミンB₁とビタミンB₂が約24時間、ビタミンB₆とビタミンB₁₂が約12時間となっています。4種類がすべてあることがエネルギー代謝には必要で、多くの量を摂っても長くは保持されません。できるだけ多くの量を摂りたいのに、タバコによって消化が不十分であれば、代謝の能力が低下してしまうのも当然のことといえます。
だからといって、ビタミンB群のサプリメントを摂って、安心してタバコを吸ってよいということではありません。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

認知症を予防するためには脳を積極的に働かせることが効果的とされていますが、その逆に脳を休ませることも必要となっています。脳を休ませるといっても、目覚めているときには休んでいるようでも脳は動いています。最も休んでいる状態は睡眠中です。
アルツハイマー型認知症と睡眠の関係については、アメリカのワシントン大学の研究成果が有名で、入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒などの睡眠が不安定な人は、睡眠が安定している人に比べてアミロイドβの蓄積が5.6倍になっていたと報告されています。アミロイドβは脳内で作られるタンパク質の一種で、健康な人の脳にも存在しています。
健康な人ではアミロイドβは不要なものとして短期間で分解されて排出されていますが、アミロイドβがくっついて異常なアミロイドβができると分解も排出もされなくなり、脳に蓄積されます。そして、神経細胞に付着します。異常なアミロイドβは有害物質を出すことによって神経細胞が傷ついて情報伝達ができなくなります。進行すると神経細胞が死滅して、脳が萎縮していきます。これがアルツハイマー型認知症の始まりです。
睡眠の質がよいとアミロイドβが作られにくくなりますが、継続した睡眠(夜から朝まで)だけでなく、昼寝でも効果があります。ただし、1時間以上の昼寝はアルツハイマー型認知症のリスクが高まるとの報告もあります。
認知症が進み始めた人の場合には、体内時計の調整が乱れやすく、昼夜が逆転したり、日中に眠気が起こる、夜に眠れないということが起こりやすくなります。昼寝が日中の疲労を回復させるだけなら問題はないものの、昼寝のために夜の睡眠に影響が出るようになると、これは見逃すことができなくなります。
短時間の昼寝によって、脳の疲労を回復させることは認知機能を正常に保つためには有効となるので、20〜30分ほどなら安心して昼寝をしてもよいということです。

厚生労働省が養成している認知症サポーターは1300万人を超えていて、社会の理解は相当に進んでいると考えられます。その理解の上に、さまざまな支援が行われています。介護制度だけでなく、認知症を予防するための方法も各分野で研究・実施されています。社会的な理解があって、社会的に支えるための方法が次々と提言されていけば、安心して生活することもできるかもしれません。
そのための活動として、日本メディカルダイエット支援機構は「脳の健康寿命」をテーマに研究を進めていて、脳の健康寿命の延伸の方法について、さまざまな分野の協力を得て、効果的な手法の提案をしています。
認知症サポーターによる理解に対して発達障害の理解については、10人に1人が発達障害で、生涯にわたって特性が続くことが明らかにされているにも関わらずサポーター制度があるわけではなくて、いまだに理解が進んでいるとは言いにくい状況が続いています。
なんとかして発達障害サポーターが広まって、充分に理解されるようになったとしたら、その先には発達障害を改善するための支援と、支援のための知識が必要となってきます。その支援のための知識として研究を進めているのが「発達栄養学」と「自律神経調整」です。発達障害では、特性によって食事に影響することがあり、自閉症スペクトラム障害では極端な偏食が起こりやすくなっています。また、発達障害全般にみられることとして自律神経の乱れがあり、これが発達障害の状態を悪化させることにもなっています。
そのため、学習障害サポーターとして理解が進んできた段階で、もっと理解を深め、生活の中で改善の支援ができるように、発達栄養学と自律神経調整に基づいた講習も進めていくことを想定して準備を進めているところです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

発達障害を理解するための講習は、認知症サポーターをひな形(モデル)にしています。認知症サポーターは厚生労働省が主導して実施しているもので、認知症に対する正しい知識と理解を持って、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けをする人を指していて、全国で養成講習が実施されています。
認知症サポーターとして期待されていることとして、次の5つがあげられています。
1.認知症に対して正しく理解し、偏見をもたない。
2.認知症の人や家族に対して温かい目で見守る。
3.近隣の認知症の人や家族に対して、自分なりにできる簡単なことから実践する。
4.地域でできることを探し、相互扶助・協力・連携、ネットワークをつくる。
5.まちづくりを担う地域のリーダーとして活躍する。
このことは発達障害がある人に対しても同じ態度で取り組んで、同じことが広がるようになってほしいところですが、1番目も2番目も、まだ対応がされていないのが実態です。これはサポーター制度があることと、まったくないことの違いがあるからです。
認知症については、認知症サポーターは1300万人を超えていて、それだけでも国民の1割以上、成人人口の約1億人に対して13%以上が理解していることになります。認知症患者は約700万人と推計されていて、当事者は認知症を理解ができない状態であったとしても、その家族は理解をしています。
全世帯数は5000万世帯を超えているので、総人口からすると平均して1世帯は2人となります。ということで、少なくとも理解をしている人は1400万人以上はいるはずです。合計で2700万人というのは4.5人に1人くらいの割合になります。
発達障害は生涯にわたって特性が続くということから600万人が当事者で、1世帯に2人で計算すると合計で1200万人となります。認知症と大きく変わらない数の理解と支援を必要とする人がいることを考えると、なぜ発達障害サポーターがいないのか、制度化されていないのかとの疑問が湧いてくるところです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)