「人は二度死ぬ」の発想での健康づくり活動

「人は二度死ぬ」というのは、肉体が滅びたときだけでなく、その後で皆の記憶から消えてしまうことを指しています。人間には寿命があるので一度目の死は仕方がないとしても、その人が存在したことを忘れられる二度目の死のほうが悲しいことだと言われています。

どうせ本人は亡くなっているのだから関係ないのでは、という発想もあるものの、亡くなったとしても二度目の死がないとしたら、これは精神的な救いになります。

「人は二度死ぬ」という考えを進めると、医学的には死亡していても、記憶に留めてくれる人がいる限りは多くの方の心の中で生き続けているという発想につながります。金儲けのために働くのではなく、社会に貢献しよう、それによって多くの人に喜ばれるように頑張ろうというのは、二度目の死を避けるための行動ともいえます。

そのような考えがあるからこそ、働くというのは「側(はた)を楽にする」という考えも出てきて、自分がやってきたことが社会を変え、ずっと世の中の役に立つようにするという発想につながっていきます。

自分が実践してきた健康づくりが、他の人の健康づくりにもなり、それが地域の健康度を高めていくことにもつながるのは嬉しいことです。とはいっても、それが先々にも残って、二度死ぬことがないように願っても、それがかなえられないことも少なくありません。

お祭りは、参加する人がいる限り、ずっと続きます。健康づくりは場合によっては楽しいことばかりではなくて、苦しいこともあり、それを続けていくには楽しいと感じさせる仕組みと仕掛けが必要です。地域のお祭りとしての健康イベントを作り上げるのも二度目の死を避ける方法ですが、他にも考えるべきことはあります。

現在は記念日が大流行で、語呂合わせで日を決めることもあれば、始まった日、始めた人、記念すべき業績があった人の誕生日が記念日になっていることもあります。その発想で、新たに記念日を作るための活動をして、それが継続できる仕組みを作るということも、健康づくりの活動とともに進めることを考えることもすすめています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕