「先生と呼ばないで」と言っても呼ばれることがある

仲間内では“さん”“君”で呼び合っていても、講習の場では“先生”と呼ぶのは当然の礼儀で、そのときに“さん”と普段の調子で呼んでしまったら、受講している人の信頼度にも関わってきます。呼ぶ側のときにはよいのですが、呼ばれる側になると、教えることを本業にしている教師、講師、教授などでない人には、なんとなく“こそばゆい”気持ちにもなります。
呼んでくれる人が年下なら、年上を持ち上げる言葉として受け入れやすいかもしれないものの、それでも年下人が教授で、呼ばれるほうが教えるということで何の肩書きもない立場だと、とても気になってしまいます。また、規模の大小に関わらず、選挙で選ばれた議員の先生から“先生”と呼ばれると、本当に教えるくらいの立場にならないといけない、もっと知って役立つことを伝えないといけないという思いを強くしています。
そんな私が先生と呼ばれて、あまり違和感を感じないのは、サプリメント・健康食品の講師をするときです。厚生労働省の「保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的考えについて」の通知に関わったことから、実際の養成講習(国立健康・栄養研究所認定講習)では制度を説明する講師となり、健康食品などの表示を規制する法規についても講習して、さらに規制するには機能を知らないといけないということで徹底的に研究をしてきました。また、実際に商品を販売している会社を訪ねて、その結果を週刊誌に連載で100回近く機能性について書いてきました。
それもあって、推奨できないような会社が、素晴らしい商品のように見せかけて販売している例と、その会社の顛末(販売停止や逮捕など)も見てきましたが、その実績が認められたようで、機能性表示食品制度では委員を務めました。
この世界では、他に変わる人がいないので、これに関わる話をさせてもらうときだけは、安心して“先生”と呼ばれるようにしています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)