コレステロールをテーマにしたテレビ番組の中で、「卵は小さくても大きくても黄身のサイズは変わらない」と紹介していました。この場合の卵は鶏卵のことですが、番組ではサイズが大きいのは白身が多いだけという説明をしていました。この番組を見ていた方が講習会に参加されていて、「これまではコレステロールを心配して小さい卵を食べていたけれど、安心して大きなものが食べられる」という話をしていました。コレステロールの摂取の上限値は撤廃されたので、卵のコレステロールを気にすることはなくて、ましてや卵の黄身の大きさは微々たるものなので、これも気にすることはないということです。
そのことよりも気にしてほしいのは、本当に卵のサイズと黄身の大きさは関係ない、つまり卵はサイズによって黄身の大きさに違いはないのか、ということです。実際には、どうなのかというと、サイズの違う卵を買ってきて、割って黄身の大きさを比べればわかることですが、Mサイズ(58g以上64g未満)は黄身の割合は29%ほどです。Lサイズ(64g以上70g未満)は28%ほど、LLサイズ(70g以上76g未満)は27.5%となっています。
微妙な差なのですが、サイズが大きいほど白身の量が増えるので、黄身が小さく見えます。実際にはサイズが大きくなるほど黄身は大きくなっていくものの、比例して大きくなるわけではなくて、変化は少ないということです。
卵のサイズは鶏の年齢によって変わってくるのが一般的です。Mサイズは6〜12か月、Lサイズは10〜24か月、LLサイズは18か月以上のものが産んでいます。鶏は生後6か月から卵を産み始めて、2年ほどで採卵期が終了します。大きさからいっても、最も健康的な若い鶏が産んだということを考えても、Mサイズは効率的な卵だということができます。これは黄身に注目した話で、大きな卵で量が多い白身は良質なたんぱく源なので、その点ではLサイズは効率的ということができます。