今から76年前の終戦直後には、極端な食糧難から肉を食べられる人はほとんどいなかったのですが、2〜3年もすると以前の消費量に向けて回復してきました。それでも今の肉の消費量と比べると6分の1ほどの量でしかありません。日本人の食生活が落ち着いてきたのは今から66年前の昭和30年以降とされています。
戦後生まれは肉を食べて、動物性のたんぱく質を多く摂るようになったので血管が丈夫になり、健康度が高まり、平均寿命も延び続けました。私は昭和30年生まれなので、肉を食べて元気に、そして健康になってきたと言われ続けてきましたが、子どものときには母の実家のお寺に住んでいて、そこは漁師町だったので、魚は買う必要がないくらい檀家から持ち込まれていました。肉を食べる機会は、ほぼありませんでした。
小学校に入学してからは親と住むようになりましたが、そこは山間地で、魚屋はあっても肉屋はなくて、肉が食べたいときには魚屋さんが町場の市場まで行くときに、ついでに豚肉を買ってきてもらうということで、ここでも肉を食べる機会は極端に少なかったのです。
鶏は食べるものではなくて卵を産んでくれるもの、鶏肉は農家で食用にするときに分けてもらって食べるという状況でした。
学校給食は1年生のときにはないので弁当を持っての通学で、2年生になって弁当持参で牛乳(といっても脱脂粉乳)だけが出る牛乳給食が始まりました。3年生で初めて通常のおかずにパン、牛乳の三点給食を経験しました。4年生からは父の転勤の関係で町場に移りましたが、そこの同級生は1年生から給食がありました。町の商店にも肉屋があり、いつでも買える、いつでも食べられるということに驚きを感じたものです。
以前は肉は高かったのですが、今では魚が高いものになり、経済的に厳しいという向きには、肉食は生活習慣病の予防と改善にはよくないと言われても、肉を食べるしかないという人も多くなっています。東京にいたときには魚は高級品でなくても、なかなか手が出ないものになっていましたが、岡山に移住してからは魚は肉と価格が変わらないという状態で、また魚が中心の生活になっています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

