「日本人の体質研究」の対象者

日本人の体質研究をしていると話すと、必ずといっていいほど聞かれるのは日本人の定義です。日本人といっても国籍が日本なら日本人としているわけではなくて、遺伝的に日本人であるという、少なくとも100年以上前から日本で暮らしている人の子孫であることを前提としています。
“純県民率”という用語があります。統計学などに使われる正式な用語ではなくて、祖父母から、その県(都道府県)に住んでいる人を純県民としています。進学や就職で多くの人が移動してくる地域は純県民率が低くて、地方に行くほど高くなるのは当然のことです。
日本人といっても、北海道と九州の南側では気候が大きく違っているので、体質的な違いがあってもよさそうですが、日本人特有の血液温度の低さ、血圧や血糖値の高まりやすさ、海藻を消化できる特殊な酵素などを調べると沖縄県民であっても根本的な体質の違いはありません。
体質は環境に応じて、長い年月をかけて遺伝子を変化させてきた結果であるので、大きな出来事があったとしても、それが体質に現れるまでには遺伝で5代以上はかかると考えられています。日本人に最も影響を与えたのは終戦後の食事の大変化です。和食中心から洋食が増えて、それまでの日本人に不足している栄養素が補われたのはプラスに作用しますが、その変化が進みすぎた結果が生活習慣病の増加、平均寿命の割には健康寿命が短いという状況です。
戦後の生まれは今では77歳になり、戦後生まれが全国民の85%という状態であっても、まだ最も若い世代は戦後生まれの3代目(曽孫)という段階で、今は1世代が30年なので、あと50年もすると日本人の体質も徐々に変わってくるということになります。それまでは、まだまだ日本人の体質は大筋では変わらないであろう、まだまだ今の研究成果は使い続けられるであろうというのが私たちの考えです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)