「絶対に変わらないものが変わることになる」かもしれないと、かつて言われたことに「ノストラダムスの大予言」があります。今から400年以上前に、フランスのノストラダムスが1999年に人類は滅びると予言したとされる話です。
ノストラダムスは研究をしたわけではなく、自らが示した詩の中に以下のことが書かれています。
「1999年の7の月、天から驚くほど強力な大王がやってきて、アンゴルモアの大王を甦らせる。その前後、火星はほどよく支配するだろう」
この詩の意味を、さまざまな人が解釈していますが、共通しているのは「1999年に人類が滅びる」ということです。
この人類滅亡の予言を信じて(都合よく解釈して)、「どうせ1999年に死ぬのだから好きなことをする」「仕事をしなくて遊んで暮らす」と言い出した若者が数多くいたものです。実際にどうなったかは、2000年のミレニアムイヤーを無事に迎えたことで明らかです。
ミレニアムイヤーは新千年紀と訳されていますが、この時期を迎えた瞬間(2000年1月1日の0時0分0秒)を確認することができたのは“絶対に変わらない”時間が存在しているからです。
世界時間の基準は、イギリス・ロンドンのグリニッジ天文台を通る子午線を世界中の経度と時刻の基点としています。地球1周は360度で、1日は24時間なので、1時間は経度15度になります。
日本の標準時は、兵庫県明石市を通る東経135度の子午線の時刻と定められています。世界基準とは9時間の時差があります。
子午線のまちといえば明石市という認識がされていますが、実際には子午線は北から順に示すと、京都府の京丹後市、福知山市、兵庫県の豊岡市、丹波市、西脇市、加東氏、小野市、三木市、神戸市(西区)、明石市、淡路市、和歌山県の和歌山市を通っていて、それぞれに子午線を示す標識やモニュメントが設けられています。
時間を知るための装置は、各国で標準電波が使われています。日本では1999年6月から情報通信研究機構が2か所(福島県、佐賀県)から発信していて、これを放送局も電波時計も使っていて、デジタル機器の時刻の基本としても使われています。
「絶対に変わらないもの」というのは、このデジタル時刻を指していますが、その「絶対に変わらないものが変わることになる」というのは、デジタル時刻が正確に更新できるかわからない状況が起こる可能性があるのが、昭和99年から昭和100年に日付がバトンタッチされる2024年12月31日の23時59分59秒と2025年1月1日の0時0分0秒の間です。
なぜ正確にバトンタッチされない可能性があるのかというと、日本のデジタル時刻、それを採用して機器に組み込まれている年の情報のシステムが昭和の元号の2桁表示をベースに構築されているからです。
それが正確に更新できるのかどうかは、つまり3桁に移行できるのか、それとも3桁目の1が切り捨てられて00になるのかは、そのときにならないとわからないというのが、「昭和100年問題」なのです。
この内容については、次回(「昭和100年」3)に説明させてもらいます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕