「昭和100年」7 システム障害の原因と対応

現在のようなデータ社会、システム社会では、システム障害は避けなければならないことで、システム障害が起こったとしても即座に解消されることが求められます。例えば、コンビニでポイントが使えなくなったとしても、しばらく待っていれば使えるようになる、1店舗だけの問題なので他の店に行けばよいとの期待があり、それが通用することが普通に求められます。

ところが、2023年から2024年は、さまざまなシステム障害が起こり、しかも従来の障害とは違ったことが発生して、その原因がわからず、解決まで時間がかかった例も数多くあります。

かかったのが時間というレベルではなくて、“期間”と呼んだほうがよいこともありました。長くかかった末に元の通りに戻ったと発表されて、これで一安心と考えるのが普通の感覚かもしれませんが、そうはいかないこともあります。

これは正式には世間には公表されないことがほとんどで、回復したというのは目先のことで、根本的なところは改善されていなくて、完全解決ではない、また起こるということも少なくないのです。

システム障害があると、「システム更新のときの技術上のミス」「プログラムのミス」ということが、ここのところ原因として発表されることが続きました。これが本当のことなのかは明らかにはされていません。

これまでシステム障害の原因究明は、それぞれのシステムを構築した企業や、企業にシステムを販売する専門会社によって行われてきました。しかし、そのような目先の対応ではなく、根本的な解決をしておかないと対応できなくなるとされているのが、このコラムのテーマである「昭和100年問題」です。

その重要部分については、これまでの連載の中で紹介してきました。システムの基本中の基本である年数表示が、日本だけが元号を基本として西暦と照らし合わせて使われていて、昭和元年から99年も経過した2024年も採用され続けています。

システムの試験は、実際に懸念されているのと同じ状態にして、問題が起こるのか、どのような問題が起こるのか、起こったときに早期に回復させる対処法が探られていきます。その対処に期間がかかり、簡単に回復できない状態を想定して、社会的な対処法について考察するのも「昭和100年問題」のプロジェクトの目的の一つです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕