「知っている」と「知っている人を知っている」では大違い

顔が広い人は、今のようなSNSの時代は活動しにくくなっているかもしれません。「何を言うのか。SNSがあるから人脈が広がっている、仕事にも役立っている」という人がいるのは承知しています。でも、顔の広さがSNSのために、かえって活かしにくくなっているように感じています。
顔が広いと称している人と話をしていると、「○○さんを知っている」ということを言い、つないであげると言われます。知っているといっても、テレビを見て知っているとか、その人の書いた本を読んで知っているということではなくて、人脈としてつなげる立場にいるのかどうかが問われています。日本メディカルダイエット支援機構の本部が東京にあったときには、メディアに健康情報を提供していたこともあり、テレビ番組でコメントをしてくれる専門家、取材を受けてくれる医師、番組の内容に合った商品を紹介してほしいという依頼が常にありました。
岡山に本部を移動させてからも、東京には支部があることから、移動を知ってか知らずか、いまだに紹介の依頼があります。メールも携帯電話も、どこで受けているのか返答しているのかはわからないからです。直接知っている人なら、すぐに本人や会社に連絡をしてつないでいます。もちろん、私たちの活動と合致している人や会社であることは当然です。直接は知らないけれど、付き合っている専門家や団体を通じたら可能ということも、そのことを伝えてつなぐようにしています。これが「知っている人を知っている」ということです。
営業マンの中には、「知っている人を知っている」という状況なのに「知っている」と話す人がいます。“知っている人”の存在を隠して、紹介すれば、紹介された側は「知っている」と思い込みます。これで仕事がスムーズに行っていればよいのですが、紹介された側にも事情や条件が存在します。そのことを理解して、配慮して紹介しなければならないはずなのに、そこを無頓着でつないでしまうと、後で迷惑をかける、とんだトラブルを引き起こすことにもなります。
SNSを使えば、お友達が多い人であったら、「こんな人を知りませんか」とメッセージを出すだけで「知っています」リターンがあります。日本メディカルダイエット支援機構の名刺ホルダーには1万人以上の名刺が入っています。確かに会っている人なので知っているのかと聞かれたら知っていると返答してもよいのかもしれませんが、責任を持って紹介できるという状況でなければ、それは烏合の衆と同じです。
毎週「健康情報メール」を発信している400人以上の医師、研究者、団体役員、メディア関係者などであっても、群衆ではなくて主人公クラスの紹介できる人といったら100人いるかどうかです。相手が言っている「知っている」は、こういったレベルの知っているなのか、それとも「知っている人を知っている」なのか、見極めて付き合う必要があるということです。