「親ガチャ」という、あまり使ってほしくない言葉があります。使ってほしくないというよりも、自分の子どもであったら言われたくない言葉です。しかし、その意味することを知ると、言われても仕方がないという保護者も少なくないかもしれません。
「親ガチャ」はインターネットで使われるスラングで、子どもは親を選べないという意味で使われています。2021年には、ユーキャン新語・流行語大賞でトップ10入りをしています。
それは当たり前のことという感覚があるかもしれませんが、親が選べないというよりも家庭環境が人生を大きく左右するということで、狙ったものと違うハズレが出てきて、これは仕方がないことという諦めの気持ちが表わされています。
家庭環境だけでなく、容姿や性格なども親の影響を受けやすいものだけに、自分の持って生まれた条件に恨みを持って生きている子どもがいるのも事実で、そういったことを含めて使ってほしくない言葉だといっています。
子どもは何も偶然の精子と卵子の結びつきでランダムに選ばれたものではなくて、望まれて、家族の一員として生まれてきたという考えも徐々に広まりつつあります。一生を決める重要な条件である食事による栄養摂取、身体活動は、生まれてから親の影響を受けることなので、「親ガチャ」などと言われないようにするには、どんな家庭環境であっても、知識を得て、頑張って子どもの身体づくりに努めたいものです。
その子どもが成長して、子どもをもうけて親になるときには、子どもの心身の健康は親の食事に影響されていることが研究によってわかってきていて、厚生労働省も「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」を示しています。
妊娠前からとなると、親元を離れて暮らし始めてからの食事の内容が重要であり、その重要さを伝えるのは、その親の役割なので、孫の健康は祖父母のせいともなります。孫から「祖父(ジジ)ガチャ」「祖母(ババ)ガチャ」と言われないようにするためにも、食事内容を考えてほしいという思いから書いています。
紙数が少なくなってきたので、「子ガチャ」については次回に書かせてもらいます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕