「人の嫌がる仕事をする」というのは、一般には“他人が嫌がる仕事を率先してやること”を指していて、日本人の美徳を表す言葉として使われています。誰もが嫌がるようなことを積極的に行うのは徳を積むことであり、いつかは自分にとって利として回ってくるというのが道徳として説明されています。
このような話が出たときには意味するところがわからなくても、わかったような顔、納得したような顔をしていればよいだろうと思うのに、若い人の中には「なぜ自分を犠牲にして他人のために貴重な時間を使わなければいけないのか」と質問してくる人もいます。
それどころか、「人の嫌がる仕事をする」の意味がわからない人もいて、“人”は犬、猿、雉(きじ)に対する人のことではなくて(桃太郎の登場人物か?)、“他人”の意味で、「他人に嫌な思いをさせる仕事」のことだと思い込んでいる人もいます。以前なら極めて少数派だったのでしょうが、今では、ここでわざわざ書かなければならないほど多くなっていると感じています。
他人が嫌がる仕事を代わりに積極的にやってあげることまでは求めなくても、仕事にかこつけて嫌がらせをしているのではないのか、と言いたくなるようなことをしている国もあれば(日本の近くの)、会社の社員もいます。それを嫌がらせのつもりではなくて、上司に喜ばれたくてやっている社員までいます。
周りから見ていると、社長の意見のほうが間違っていて、あとで気づいて訂正することがわかっていることを、社員が社長の意見は絶対と思い込んで、それと対立する意見を言った人を敵対視して攻撃する困った(物事がわからない)社員がいます。社長が後になって訂正をしたときに、人間関係をおかしくして、結果として会社に害を為すようなことをした人がいて、そんな人に巻き込まれて、迷惑を被ったことを思い出しました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)