今回のテーマの「健康は金で買えない」は、一般に言われているのは「いくら金を出しても健康になれない」「金よりも大切なことがある」といった意味で使われています。それは、ある意味では当たっているのですが、誤解がないように“基本的には”という言葉が付けられるようになっています。
「基本的には健康は金で買えない」ということになり、金があれば心身に無理をかけるようなこともしないで済むし、治療にも予防にも時間と金がかけられるということになって、さまざまな事業者が自分のところの商品やサービスを売るために、このフレーズが使われることが増えています。
さらに一歩進んで、「健康になるには金はないほうがよい」という発想もあります。もちろん生きていくための最低限の金銭は必要ではなるものの、余計なお金があると過剰に食べすぎて身体にダメージを与える(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)ことになるし、歩いていける範囲のクルマを利用して歩かなくなる、ということにもなります。
もしも病気になったとしても、よい医療が受けられるからと安心してしまい、予防を心がけないということにもなりかねないので、むしろ医療機関にかからずに済むように、日々の生活を大切にするようになる、というにつながっていきます。
私は3歳のときに親元を離れて、母親の実家で暮らすことになり、住職の祖父から「お寺に住む者は仏様に捧げられたもののお下がりをいただいて生きている」ということを言われ、それが今でも心に染みついています。
東京から岡山に移住してからも、ほとんどお布施のような金額で生きてこれたのも、健康で過ごせているのも、「金はないほうがよい」という感覚があるからだと思っています。妻は、どう思っているのかは怖くて聞けないのですが。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)