あくまでも噂話3「信じる者は足元を掬われる」

ボイスレコーダーは録音機の言い換えだと一般には認識されているようですが、もともとの意味は周囲の音声を記録して後で聞き返す装置のことで、航空機のコックピット内の音声を記録するものと同じ意味合いです。
重要な打ち合わせに臨むときには、ポケットにボイスレコーダーを入れて出かけていました。これは証拠を残そうというよりも、聞き違いや思い違いがあってはいけないからで、自分の判断が正しかったかどうかを確認するためのツールです。一過性脳虚血発作になったことがあり、自分では気づかない記憶機能の変化があって、間違いを犯してはいけないと思って始めたことです。
医療関係や健康関係のインタビュアーとしての仕事のときも、ゴーストライターとしての取材のときも録音機はテーブルに置いていましたが、打ち合わせのときには記録していることが証拠づくりと勘違いされるなど気を悪くする人がいたので、ポケットに忍ばせる形となりました。
仕事の話がスムーズに進んでいる間はボイスレコーダーの音声を聞き直すことはなかったのですが、今回のテーマの「信じる者は足元を掬われる」というようなことがあったときに聞き直しをしました。聞き直した結果は、相手が「そんなことは言っていない」というのは大概は言っていたことを確認しました。
あとになって「実は言っていたのだが、言っていないと話すしかなかった」と言われたこともあります。それは相手の社内や家族の事情だったりもしたのですが、「言っていない」ということにして済ませることができた人には良かったことであっても、信じて行動して、足元が掬われるようなことになった身としてはたまったものではありません。
東京から岡山に移住して、それも家族ごと仕事があるからということでの移住で、家族の事情か会社の事情かわからないのですが、「コンセプト変更」という一言で仕事を失う結果となった身にとってみれば、「信じる者は足元を掬われる」という気持ちの準備をして取り組むようになった、本当に困った経験でした。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)