タイアップと言うべきかバーターと言うべきか、料金までの価値がないものでも、情報が加わると、いきなり料金と同等の価値、場合によっては料金以上の価値がつくことがあります。それこそ“付加価値”ということになるのでしょうが、東京・銀座では飲屋街の角ごとに花売りの女性(おばさん?)が立っています。
ほんの2〜3本の花束なのに、2000円、3000円は当たり前で、中には5000円というものもあります。その違いは花の違いではありません。もちろん2000円を支払った人と5000円を支払った人では渡される花の種類に違いはあっても、どう考えても花屋(フラワーションプ)で1000円程度のものです。それを2倍から5倍の値段で売っているわけですが、その高い花を買うのは飲み屋(といっても銀座の高級店)の場所を教えてもらうときです。このときの花は、店の女の子へのお土産代わりになります。
誰から聞いても、というか花を買っても同じように道案内してくれるわけではなくて、詳しい方から買うと、初めての訪問でも迷わずに行くことができます。どの店に行ったらよいのかわからず、できればよい店、安心できる店に行きたいというときにも花を買います。要望どおりの店を紹介してもらうときには、もちろん高い花を買うことになります。
その花は、花売りの女性によって特徴があって、お店で受付の男性に渡すと、誰の紹介で来たのかわかってくれます。割引まではないとしても、しっかりと楽しませてくれるサービスが受けられます。
花売りの女性とお店がタイアップをしていることもあって、そういう女性から花を買うと、女性にはバックが行くということもあって、その場合には紹介料の分が上乗せされることもあります。それでも初めての街でも安心して遊びに行けるのでありがたい存在です。
路上での販売は禁止されているといっても、女性たちも心得ていて、何か怪しげな人が歩いていたりしたときには、通報というか情報提供が商店会に伝わり、場合によっては取り締まりをするところに通報されるという仕組みで、街の安全を守る私設警備員の役割もしているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

