健康食品の免疫作用は、他の有効性に比べて測定しにくいところがあるので、有効性を伝えるのにも苦労があります。血糖値を抑える効果であれば、使用前と使用後で血糖値を測定すれば有効性は簡単に評価できます。これは中性脂肪値でも血圧でも同様です。
ところが、免疫力は検査で測定できるとしても、さまざまな要因によって変化するので、健康食品によって得られた効果なのかが判定しにくくなっています。それにも関わらず、他の要因は無視して、いかにも健康食品によって高まったように表示している例もあります。
健康食品そのものの免疫力の違いが数値化されていれば、これはわかりやすいことになりますが、その例としてあげられるのがMGOです。これはニュージーランドのマヌカという花から採るハチミツに含まれるメチルグリオキサールという抗菌成分で、その量は数字で表されています。数字が大きいほど有効性が高く、その分だけ価格も高くなっていますが、有効性を期待して購入する人によって人気が支えられてきました。
「きました」というのは、今も人気が続いているとは自信をもって言いにくいからです。インフルエンザに効果があるということが伝わっていたのですが、コロナ禍を経験して、コロナ対策としては無力であることがわかってから、本来は違う評価でよいはずなのに、期待度が低下しました。
期待度が低下したというよりも、インフルエンザに有効なら、同じウイルスである新型コロナウイルス感染症にも効果があるのではないか、とハードルが高くなりました。それを期待して使っていた人も多かったようですが、結果は期待とは異なることであって、このことから人気が一気に低下していった感があります。もちろん、MGOの数値が高いマヌカハニーは500gで1万円を超えるものもあって、コロナ禍の厳しい状況で価格がネックになったということもあるのですが。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)