質問をして「知らない」と答えが返ってきたら、本当に知らないのだろうかということは推測ができます。これは全国共通のようで、関西弁で「知らん」と返ってきたら、これも本当に知らないことだと判断できます。ところが、関西弁には“知らんの6段活用”と呼ばれる表現法があって、これを聞き誤ると真意を読み間違えて、とんでもないことになりかねません。
6段活用は諸説あるのですが、よく聞かれるのは、知らん、知らんわ、知らんねん、知らんけど、知らんがな、知らんしの6種類です。一般的な解説をしておくと、「知らん」は本当に知らない、「知らんわ」は私も知らない、「知らんねん」は知らなくて申し訳ない、「知らんけど」は確信はない、責任は持てない、「知らんがな」は関係ない、興味ない、そして最後の「知らんし」はどうでもいいということです。
大阪の方と話をしていると、何か話したあとに「知らんけど」と続くことがあって、話の内容をしっかりと聞いていたのに、最後に実は確信がない、責任は持てないということで、このコラムのテーマの「あくまで噂話」程度のことだったということがわかります。
困ってしまうのは、「知らんがな」と「知らんし」で、どちらも話している内容について興味を抱かずに、勝手に話していてくれという気持ちだったということに後になって気づくこともあります。
そのへんのニュアンスがわからない人に、わざと使い分けて話をしてくる人がいて、混乱させよう、間違いの判断をさせようという意図があってのことではないか、と疑心暗鬼になるのは関東の人だけではないはずです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)