いつやるべきかと問われたら、「今でしょ」と言うのは今やギャグになっていますが、この原案と言える言葉を初めて使ったのはアメリカの政治家のベンジャミン・フランクリン(1906年〜1790年)だとされています。アメリカ独立宣言の起草者の一人にして、外交官、著述家、物理学者、気象学者としても知られ、避雷針やロッキングチェア、遠近両用メガネの発明者でもあります。
そのベンジャミン・フランクリンの言葉として、あまりに有名なのが「今日できることは明日に延ばすな」です。これは初めの一部分を抜き出したもので、残されている英文を書き起こしてみると、以下のようになります。
「今日できることを明日に延ばしてはいけない。“いつ”という言葉を使っていては失敗してしまう。成功したいのなら“今”という言葉を使わなければならない。」
まさに「今でしょ」と強調していたのです。
「今日できることは明日に延ばすな」に対して、逆の意味で「明日できることは今日するな」が引き合いに出されます。これは新しい言葉ではなくて、トルコの諺(ことわざ)で、日本で初めて紹介したのは作家の遠藤周作と伝えられています。その言葉が出てくる文献を検索したら、次の言葉が出てきました。
「今日の仕事をやり終えたならば、その後は愉快に遊べ、愉快に人生を楽しめ。明日の仕事までガツガツ、今日のうちにやるような奴は結局出世しても、人間として損なのだという意味なのであろう。」
いろいろな解釈があってよいわけで、「明日できることは緊急なことではない。そんなことをあれこれと考えるよりも、今日は今日しなければいけないことに集中すればよい」ということも説明として、よく使われています。明日できることを今日はしないというのは怠けてよいということではなくて、今日できることをすることが示されています。
今日は時間があっても疲れていたり集中しなければできないことは、思ったように進まないものです。気分を入れ替えて取り組んでほうがよいこともあり、それよりも先に時間があるうちにこなしておこうという姿勢が大切だと考え、実際にも、そういった時間の使い方をしています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)