健康食品の新たな制度が立ち上がったときに、制度について検討する委員会があり、その当時の消費者庁長官が知り合いであったことと、厚生労働省が健康食品に関する制度を管轄していたときに制度構築に関わったことから法律講師をしていたこともあって、委員会の末席に座っていました。
委員会のメンバーは、大学教授や業界関係者、お役所の元職などで、一民間人が末席でも入ることは珍しいのですが、私の役割は「抜け穴ふさぎ」でした。そんなことを担わされるのは他に担当する人がいなかったからです。
健康食品の法規制は、広告や商品パッケージなどが規制するマニュアルに合致するかどうかだけで判断されているわけではなくて、実際の効能効果との違いが問われることがあり、違いが大きいほど厳しく対処されるのが通常のことです。そのために実際の有効性と、素材の種類や加工法、配合などによって効果が異なってくるので、それを知るために製品の専門家や開発会社、販売会社、健康雑誌編集長などを取材して、週刊誌に連載ページをもって取材してきました。
その数は、あと2回で100回という目前で終わったのですが、自分の会社の製品をよく見せるための他社の批判をするというのはよくあることで、そのおかげで裏話を聞くだけ聞きました。法規制は販売会社の手口に合わせて変化していきますが、その変化を上回る手口を編み出すのが販売会社で、その手口も、もうないだろうというくらいに見てきました。
次に新たな手口が出てくるのは、新たな制度が誕生したときだと言われていたので、論文掲載された結果があれば有効性が表示できる制度は絶好のタイミングとみられていました。制度に従った規制が打ち出されて、これで大丈夫だろうという段階になってから振られてくるのですが、そのときの意見で再検討されるということが何度か続いて、もう口出しすることがないという段階で、私の役割は終わりました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)