制服で働く公務員と関わる仕事をしていたときに、「墓場まで持っていく秘密」を持ったまま退職する人に対して、「一生面倒を見るから」という言葉がかけられるシーンに出会ったことがありました。
声をかけた側の人とは、退職をして天下り先に移ってからも付き合ってきたのですが、「あのときの話」として秘密に対する報酬について聞いてみました。そのときの反応は「そんなことがあったか」という、ある程度は予測していたことではあったのですが、後々になって本当に覚えていなかったことがわかってビックリしたことがあります。
職務上のことで出て行った人よりも退職まで勤め上げた人のための職探し、それにも増して自分の職探しのほうが重要ということなのでしょう。そもそも退職後の仕事は、警察官でいえば交通関係、防犯関係で数多く用意されています。そこを途中で出て行く人、秘密を抱えたまま出て行く人のために当てることは期待できません。
消防官でいえば防災の安全のために建設会社、ビル管理会社などは消防OBの定番席です。およそ建物に関係する会社には元消防官が在籍しています。消防OBの大定番である消防署や消防団の設備、防災関連商品の認証などを担う団体はトップの指定席であっても、末席なら数多く用意されています。
自衛官でいえば防衛関係の装備やシステムなどの会社には必ずOBがいます。厨房機器の会社にも、その業界団体にも自衛隊OBがいました。これは自衛隊が厨房業界の大のお得意様で、食事は絶対的な条件であるので、いつ壊れても対応できるように同じ機器が2セット用意されています。そして、実際には壊れてから買い換えるのではなくて、予防的に新規の機器を導入するので、OBは営業のための絶対条件のようになっているのです。
こういった制服組の仕事では、多かれ少なかれ「墓場まで持っていく秘密」はあるもので、特別な秘密でもなければ守ってはくれないということを見せてもらいました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)