あくまでも噂話5「他人の人脈は自分の人脈」

モンゴルや北方系アジアの歴史的な国々は、“自分たちが持っていないもの、できないことは他国の人を使って自国民ができるようになるまでやらせる”というのは歴史で学ぶことであって、日本では起こりえないことと考えられてきました。先生として海外から人材を呼ぶことがあっても、また足りない部分を補うために海外の人材を使うことはあっても、初めから乗っ取るために他の人を使うというのはなかったことです。
それが日本人の特性というか美徳と思っていたのですが、本当に日本人かと思えるような出来事があります。自分が当事者(というか被害者)であるかは、あくまで噂話というテーマなので明らかにはしないのですが、人脈を紹介されたら、その人脈は自分のもの、もう仲介者はいらないというのは、なかなか経験ができないことです。
「親の金は自分のもの、自分の金は自分のもの」というのは、今どきの若者の気持ちを表すために使われることがある表現ですが、家族親戚なら仕方がないと感じることを、他人に対してやる人がいて、「他人の金は自分のもの、自分の金は自分のもの」と平気で口にする人までいます。
自分の金なら金庫や財布(実際には銀行)から出さないようにすればよいだけですが、人脈は仕事を進めるためには紹介しないわけにはいかないことがあり、紹介したら、そこから先は、いつでも連絡をすることができます。コロナ禍でオンライン会議が当たり前になり、移動中でも打ち合わせをして、紹介された人を自分の人脈にすることも簡単にできるようになりました。
私たちのように人脈ありきで活動してきて、マッチングが仕事の人間には、人脈を横取りされるのは仕事そのものを奪われるのと同じことです。紹介者を通り越して仕事をすることを、こちら側の人脈がいけないことだと諌めてくれればよいものの、紹介者を飛ばしても新たな仕事をしたいと思う人が増えてきています。
「人脈を紹介せずに、紹介だけしてもらえばいい」とのアドバイスをしてくれた方もいましたが、その後の責任ということは紹介したからには生じるものです。だから、紹介だけして、「ハイ、さようなら」ということもしにくいのが実際のところです。だいたい、紹介だけと言っていた人に限って、問題があったら紹介者のせいにするところもあるのですから。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)