あくまでも噂話74「ゴーストライターだらけのネット社会」

ゴーストライターはアイドル本の常識で、全部を自分で書くというのは普通では考えられないことです。原稿は書いたものの、編集者が大幅に手を入れて発行するというのも常識的なことです。それよりも一歩進んだ仕事をしたことがあって、持ち込まれた原稿を元ネタにして、一から書き直すということを経験しました。

普通にゴーストライターをする2倍以上(約1か月)もかかる作業は、自分の184冊のゴーストラーター歴の中では最も時間がかかりましたが、なぜかギャラは同じでした。同じというのは著者印税(定価の8〜10%)の30%、1000円の書籍で1万部が発行されたとしたら多くて30万円という金額です。

ゴーストライターの仕事が多かった時代は、本は書店で買うことが常識で、売り場の棚を押さえるために毎月、一定の数を発行することが必要でした。著者が書いていたら間に合わないということで代わりに書く、それも短期間で書くという専門家が必要とされていました。しかし、ネット社会になって書籍が以前のようには売れなくなり、今ではネット通販で買うことが当たり前になって書店が減っていく時代では、無理に多くを発行する必要がなくなりました。

そのために私が東京を離れる前から依頼は急減して、5年前に岡山に移住してから、それでも仕事を出してくれる出版社があって、3冊を書きました。

ゴーストライターは何も書籍に限ったことではなくて、名前を出す人の代わりに書くということをゴーストライターと定義するなら、ネット社会はゴーストライターだらけです。それも専門家ではない人が、勝手に持ってきたネタで書くということもあって、間違いの伝言ゲームにもなりかねません。

私が書いたネット掲載用の原稿を編集担当が校正ミスをして、そのまま掲載されていました。これは早々に気づいて修正をしてもらったのですが、その前に引き写しをした人がいて、間違ったまま他のネット原稿として掲載されています。間違いの連鎖は、こちらで確認しただけでも4回も続いていました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)