あくまでも噂話75「常に最悪の事態を考えての対策」

「石橋を叩いて渡る」という慎重さは大切なことであっても、慎重になりすぎて「石橋を叩いて渡らない」というもあり、中には「石橋を叩きすぎて壊す」「石橋を叩きすぎて渡れなくなった」ということも起こっています。

あまりに怖くなりすぎて余計なことをしてはいけないわけですが、その前兆が起こっているときには、一歩も二歩も先回りして行動を取ることが必要になることもあります。
携帯電話が何日も通じなくなったのは、わずか15分間の不具合が原因であったことがわかると、これは誰が悪いという話ではなくてシステムの問題だということがわかります。安全性を確保したシステムを構築するのには資金がかかります。その資金が当時の政権の意向を受けて料金値下げをしたために足りないということでは、目先の対策では通じないことになります。

このような事態も頭に置いて値下げを指示したのかどうか、ということですが、これが電気で起こったとしたら、携帯電話とは比較できない被害を想定しなければなりません。電気が通じなくなれば、電気を使っている、すべての設備が使えなくなります。通信というのは電話レベルの話ではなくて、例えば国防のシステムも交通システムも医療システムも電気で動いています。

身近なところでは、電気が通じなくなればレジが使えなくなります。そこで電卓を使って会計をしようとしても、今どきの電卓はソーラー電池なので暗い室内では使えません。スマホには電卓アプリがあるので、しばらくは計算ができても充電できなければ、じきに使えなくなります。そのときに頼りになるはずの算盤を使える人は、ほとんどいません。算盤が頻繁に使われていた時代には暗算を得意とする人もいたものですが、日本人の暗算能力は便利な計算機器が登場してから一気に低下しています。

こうなる日本の近代システムを、教育まで含めて考えておかないといけないという膨大な話になってしまいますが、常に最悪の事態を想定して、生き残るためのことを考えないといけないということを、思いがけない出来事が教えてくれています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)