寄付と募金は似たようなニュアンスがありますが、定義を見ていくと立場が違っていることがわかります。寄付は金品を募って集めることで、募金は金銭を贈ることを指しています。公共の利益のために金品を差し出すことは寄付行為と呼ばれます。
募金は“金”という文字が使われているように、お金に限られています。募金箱に入れてほしいのは金銭なのですが、ポイントカードや宝くじなどが入れられていて、扱いに困ることがあります。
募金というと小銭が原則で、以前は募金によって集まったものは、そのままの金額で紙幣に変えることができたのですが、金融機関が小銭の取り引きに手数料を取るようになったので、せっかくの募金をした方の気持ちが、額面通りに届かなくなっています。
そこで公共の活動費を得るために寄付を募ることが多く、寄付先によっては寄付の全額が税金から控除されるメリットもあります。寄付については「全額を活動に使用します」ということが示されることがあるように、寄付された金額を処理するためにかかる経費は、誰かが負担しなければならないことになります。
それに対して募金は、集金の経費が認められています。募金箱を作ることも設置することも回収して集金することも人件費をはじめとした経費がかかります。募金の形なら最大で半分を経費にすることも可能であることから、福祉関係の募金をするときに、募金を呼びかけることへの仲介手数料を設けて、これを実際の団体の活動として収益をあげていたところがあります。
あげていたと書いたのは、半分を超えた金額を経費としていたことがバレて、福祉活動の名称が使えなくなったために団体が成り立たなくなったことがあったからです。それは福祉とスポーツが組み合わされた誰もが知っているスポーツの支援団体でした。
これは行き過ぎとしても、募金の呼びかけをして、広告塔にもなっているタレントが、募金額から大幅なバックを受け取っているのは、今でも続いていることです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)