「他人にしてもらったことは忘れない、してやったことは忘れよう」という素晴らしい心がけを表した言葉があります。恩着せがましく言うのではなくて、“ギブアンドテイク”でいうなら「ギブ×3」に対して「テイク×1」も求めないということになるでしょうか。
そんな心構えの人なら付き合っていけるのですが、中には「他人にやったことは忘れるのに、他人からやられたことは忘れない」という人もいて、周囲に迷惑をかけているのに、まったく気づいていないという困った人も存在しています。
存在しているどころか、そんな人のために移住先で仕事を失った身としては、「足を踏んだ人は踏まれた人の痛みはわからない」などという達観した考えではいられません。そんな人の口車に乗って、家族ごと東京から岡山に移住をして、約束していた仕事が奪われたことを嘆き悲しむのではなくて、私たちを岡山に移住させたことには意味があり、そのための役割でしかなかったと考えることにしました。
ただ考えただけでは仕方がないので、移住してよかったと思えるような仕事づくりに取りかかり、それは大きな進展ではなくても、着実の地元の役に立つ活動になってきています。
約束を反故にされたことに何らかの行動(倍返しではないですが)をしようかと考えたこともあったのですが、その後に、その方の会社に起こったことを見て、これが“ブーメラン効果”かと思うようなことがありました。
社員にやったことが大口の契約を失うことになり、それは代表本人がしでかしたことなのに、そのことは忘れたかのような行動を起こしていたら、社員の離反が相次いで起こりました。それを社員の裏切りのようなことを言って、それもSNSにもアップして、「他人からやられたことは忘れない」行動のために経営が厳しくなってきたときに、追い打ちをかけるようなことをしても仕方がないということで、区切りをつけた日に、お酒を飲むだけで終わりにしました。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)