提案ごとをして、よい反応があると、思いが通じた、仕事がうまくいったと思いたいところでしょうが、反応の言葉によっては勘違いをしてしまうことにもなります。
言葉の意味合いを間違って覚えていることもあり、よく例として出されるのは「やぶさかでない」です。「やぶさか」は物惜しみすることで、「やぶさかでない」となると努力を惜しまない、喜んでするという意味になります。
それが正しく使われていて、お互いに同じ認識であったらトラブルは起こらないのでしょうが、勘違いしているほうが多いという状態です。文化庁の「国語に関する世論調査」では「喜んでする」という意味で使っている人が約34%、「仕方なくする」という意味で使っている人が約44%と、拮抗しているので、どういう意味で使っているのかを確認しないと危険なことにもなりかねません。
それと同じように、意味合いを確認しないと大変なことになりかねないのは「言いたいことはわかった」という言葉で、言いたいことがわかったからOKなのか、言いたいことはわかったもののNOなのか、それとも判断をしたくないから曖昧な言い方をしているのか、その確認は重要です。後になって聞き間違いだったというような内容にすべきです。
逆の立場で、しっかりと判断を伝えておかないと困ったことになることもあります。メールのメッセージに対して「いいね」のグッドマークをつけたことは了解した意味だとして裁判で判決が下されました。メールを見たという“既読”のつもりでクリックしたとしても、了解した、応援しているという意味になってしまう時代になっています。
それと同じように、「言いたいことはわかった」という返事が、了解の意思決定だと判断されかねない時代になっているということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕