これって聞き間違い? 12「知り合いだから多く払う」

知り合いだから支払う金額を少なくしてほしい、支払う時期を遅らせてほしい、収益が入ってからにしてほしいというのは金銭が関わる交渉をした人であれば必ずといっていいほど言われたことがあることです。そのことに困った思いをしている人でも、自分が支払う立場になると、それと同じことを言っていたという経験をしている人も多いはずです。

そのようなことを言ってくるのは、経済的に厳しいということだけではありません。無理を言っても受け入れてくれるという期待感や甘えの気持ちがあるのは当然のこととしても、そのような駆け引きをした結果として今後の仕事がダメになってもよいという気持ちがあることが多いようです。

今回は安くしてくれれば次からは普通の支払いをする、その仕事の次にあることを一緒にしてもらうというようなことを言う人もいますが、そのようなことを期待しても、その通りになったということはほとんどありません。私の場合は、まったく経験していません。

厳しい時代に生きているのは安くしてほしいと言われる側も同じことであって、そのようなことを言ってくる人は相手の気持ちがわかっていない人、自分の主張をしてくる人、つまり何度も安くすることを求めてきます。

そのような経験ばかりだったところに、「知り合いだから多く払う」と言われたときは二度見ならぬ“二度聞き”をしました。

そんなに安い仕事をしていたら長続きしない、今後も付き合いたくても仕事を辞めていたら付き合うことができないので、相手の価値に相応しい金額、それ以上の期待を込めた金額を払うという考えです。

今後も付き合いたい人には先に多く支払っておいて、長く付き合って得をしようという考えのもとに行動してくれる人がもっと増えて、“二度聞き”しないで済むようになってほしいところですが、なかなか難しいことです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕