そこが知りたい19 高血圧の恐ろしさをイメージする

高血圧になっても、初期の段階では自覚症状は現れないだけに、どうしても対応が遅れることになります。生活習慣病の中で、高血圧は家庭でも血圧計を使えば簡単に測定できます。

血圧が基準値を超えていて、受診すれば高血圧と診断されるような状態であっても、高血圧の意味がわからず、また高血圧の危険性がわかっていないと、治療を始めようと思わない人も少なくありません。

そのような人に対して、高血圧は恐ろしい状態であり、命に関わることを気づいてもらうために示しているのは血圧の勢いです。

テレビドラマなどで刃物で刺される場面があって、そのときに血液が勢いよく吹き出しているシーンが的確に表現されていれば、血圧の強さをイメージできるようになるかもしれません。しかし、そのようなシーンは描かれることは少なくて、ほとんど出血がないシーンが映し出されていることもあります。

デジタルの血圧計を使うと数字で表されるのでピンとこないかもしれませんが、以前の水銀血圧計は血圧の強さによって水銀が押し上げられる高さが違うので、まだイメージしやすいところがありました。

血圧の単位はmmHgです。これは水銀の高さを表すミリメートル水銀柱を表しています。水銀の比重は水の重さの13.6倍です。血液の比重は1.05なので、ほぼ水と同じです。

正常値とされる収縮時血圧の120mmHgでも「120mm×13.6=1632mm」(163.2cm)で、身長ほどの高さまで吹き上げる勢いとなります。

高血圧とされる135mmHgでは「135mm×13.6=1836mm」(183.6cm)と、驚くような勢いで、いかに血管に強い圧力がかかっているかがわかるはずです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕