東京オリンピック2020の会場建設費が跳ね上がっていた時期に、都知事が「1兆、2兆と豆腐じゃあるまいし」と発言していたことを今でも覚えています。
豆腐の単位は兆ではなくて丁です。数字と単位は同じであっても中身は違っているという暗示を込めての発言かと思っていたら、単なる語呂合わせでした。語呂合わせという意味では、記念日は語呂合わせの連発で、「豆腐の日」は10月2日です。
この豆腐の日のイベントと、年間を通じた全国PRを日本豆腐協会の依頼で手掛けたのは2003年のことでした。前年の2002年には全国納豆協同組合連合会の依頼で、「納豆の日」(7月10日)のイベントと全国PRを手掛けていて、その成果を認められて、2団体の広報を毎月実施していました。
納豆は1食あたり(1パック)の重量は50gであるので、健康のために1日2回、100gを食べてほしいと言っても、これはイメージしやすいことでした。ところが豆腐は、その単位を持ち出して、「1丁を食べてほしい」と言ったとしても、全国で同じ量を食べてもらえるわけではありません。
広報のイメージとしては、「1丁=300g」を基本として、栄養摂取についても300gで計算して発表していました。ところが、豆腐の1丁は明確に定められているわけではなくて、300〜350gの幅があります。これは大都市部で見られることで、地方では350〜400gとなっているところもあります。
極端な例では、沖縄では1丁が1kgというところもあって、そのために1丁と書くときには300gであることを示すために、「1丁(300g)」と表示するようにメディアには依頼をしていました。
依頼はしていたものの、テレビ番組では店で買ってきた豆腐を映して、1丁を300gとして紹介して、300gの栄養素が表示されることもありました。実際には350gのものが映し出されていて、仕方がないなと思いながらも、番組で紹介してもらえることは広報としては成功とされるので、これは見逃すしかないという立場でした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕