そこが知りたい53 こんにゃくとこんにゃく粉の違い

こんにゃくの健康効果がメディアを通して、ここのところ多く伝えられるようになっています。その手法は、私たちが2002年から継続して手がけてきた納豆、豆腐、豆乳の全国PRと同じ手法を取っています。

全国納豆協同組合連合会のPRを成功させたときに、日本豆腐協会と同時期に日本こんにゃく協会からも同様の手法でのPRのオファーがありました。そのときには豆腐を選択して、続けて豆乳と同じ大豆の加工品による健康づくり活動に取り組みました。

こんにゃくはこんにゃく芋が原材料で、材料そのものにも加工食品としても食物繊維くらいで、年間を通じたPRがしにくいこともありました。また、あまりエビデンス(科学的裏付け)がないという理由もありました。

こんにゃく業界も頑張って、それなりの効果を引き下げてテレビでも取り上げられるようになりましたが、私たちが取り上げなかった理由の一つである加工食品のこんにゃくと材料のこんにゃく粉を混同したPR内容でした。

こんにゃくには食物繊維が多く含まれていることから便通をよくすることが第一にあげられています。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、水溶性食物繊維には水を吸って膨らんで満腹感を得やすく、また便を軟らかくする作用があります。不溶性食物繊維は腸壁を刺激して便通を促進します。

こんにゃく製品は凝固剤を使って固まると不溶性食物繊維の性質となって、水溶性食物繊維の性質はなくなります。それなのに水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方の効果を群馬県の大学の先生が説明していました。

また、こんにゃくは粘性が強く、ゆっくりと胃から小腸まで運ばれるので、一緒に食べた糖質の吸収が遅くなって、血糖値の急上昇を抑えられるという説明もされていましたが、これは水溶性食物繊維のこんにゃく粉の性質です。

こんにゃくセラミドについても語られていて、この説明が中心となっていました。セラミドは皮膚を構成する成分で、肌のバリア機能を高める効果があることは以前から知られていました。大手化粧品会社が、こんにゃくセラミドの研究成果を用いて新商品のPRを始めたことも聞いていました。

セラミドが多いのはこんにゃく芋から作られたこんにゃくで、こんにゃく粉は少ないという事実は語られていたものの、そもそもセラミドは特殊な抽出法によって取り出すことができるものです。

含まれていれば吸収されるものではないので、こんにゃく芋から作られたこんにゃくでセラミドを摂るという話は破綻しています。しかし、テレビ番組などでは最後までセラミドが多く含まれる、こんにゃく芋から作られたこんにゃくの話を徹底させていました。

このようなことが起こることがわかっていたので、こんにゃくのPRには手を出さなかったということもあります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕