日本メディカルダイエット支援機構が内閣府によって特定非営利活動法人(NPO法人)に認証されたのは2008年のことでした。初めから、この年を狙っていたわけではなく、臨床栄養と運動科学、薬理学などの専門家と一緒に立ち上げた健康科学情報センターに事業としての活動が多く寄せられるようになり、メディア関係者によって立ち上げた健康ペンクラブの事業を一致させて設立したのが日本メディカルダイエット支援機構でした。
2008年を狙っていた、と言われることがあるのは、たまたま特定健診・特定保健指導が厚生労働省によって始まった年だったからです。これは一般にはメタボ健診とも呼ばれていて、内臓脂肪が多く蓄積されることによって血管に影響が現れるメタボリックシンドロームの対策として、食事療法と運動療法による内臓脂肪減少が企業などで働く人や住民の健康管理の重要な施策とされました。
この食事療法と運動療法による内臓脂肪減少は、一部ではメディカルダイエットと呼ばれていて、それと同じ名称であったこと、私自身が臨床栄養と運動科学の仕事をしてきたこと、厚生労働省のサポート活動によって情報の先取りをしていたこともあって、利権的に先取りをしたのではないかと何度となく言われました。
臨床栄養と運動科学はエネルギー代謝科学の分野で、そのターゲットとなっていたのはエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)による摂取エネルギーのコントロールと、運動(無酸素運動、有酸素運動)による消費エネルギーのコントロールでした。
一般に言われるエネルギー源を多く取り入れると太る、エネルギーを多く使うとやせるという話の範疇でした。しかし、体内のエネルギー代謝は、これで終わりではなくて、全身の細胞の中で行われているエネルギー代謝の前半の出来事です。
エネルギー代謝には後半があって、細胞の中で作り出されたエネルギーを使って、細胞の中では数々の生化学反応が起こっています。細胞の材料を作り出すことも、それぞれの細胞の働きを行わせるのも、ホルモンや神経伝達物質、代謝促進物質などを作り出すのも、すべてエネルギーを用いて行われています。
前半は異化、後半は同化と言いますが、同化を行うために必要なエネルギーを作り出すために行われるのが異化であって、エネルギー源を多く取り込んで、これを効率的に使い、多くのエネルギーを作り出して、生命活動をするのがエネルギー代謝です。
健康科学情報センターと健康ペンクラブの事業活動を統合させる前は、健康づくりの中心は異化でしたが、日本メディカルダイエット支援機構となってからは同化に重点が置かれて、そのために異化を効果的に行うのがメディカルダイエットの中心活動になりました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕