エネルギー代謝の実践編がメディカルダイエットであることは前回に触れましたが、日本メディカルダイエット支援機構の研究がエネルギー代謝に行き着いたのは理事長の仕事の変遷と関係があります。初めに手がけた仕事は学生時代に加わった日本厨房機器工業会(現日本厨房工業会)の月刊機関誌『厨房』の編集で、卒業後も編集を担当しました。厨房を仕事で使う調理師の中で全国病院調理師会(現在は日本病院調理師協会)と知り合って『病院調理』の編集、病院で働く栄養士と医師の団体である日本臨床栄養協会の『New Diet Therapy』の編集を手がけ、最後の巡回健診の日本健康倶楽部の『健康日本』の編集・執筆は13年間続きました。
その間に医学系学会(日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本臨床栄養学会、日本未病学会、日本心臓リハビリテーション学会など)との関係を深めて、国のTHP(total health promotion)運動では産業栄養指導者会、産業保健指導者会、心理相談員会、ヘルスケア・トレーナー会との連携も進めました。そして、公益財団法人日本健康スポーツ連盟の理事となり、健康運動指導士の教育を担当して、受講者の要望が多かったサプリメント科学にも取り組んできました。
医学、薬学、栄養学、保健学、運動科学などは広い範疇では生命科学の研究分野で、その各分野の中で別々にエネルギー代謝学が研究されていることがわかりました。エネルギー代謝は生体(身体)と外界との間のエネルギーとの交換のことを指していて、物質代謝をエネルギーの面から見ています。化学的エネルギーが含まれる食べ物を摂取して、これを機械的エネルギーに変換して身体を動かし、電気的エネルギーに変換して神経伝達を行い、熱エネルギーに変換して体温を維持しています。
その仕組みがわかれば、余計な中性脂肪やブドウ糖が体内に蓄積されないようにして、このエネルギー源を有効に活用して、エネルギー代謝を進めることも、そう難しいことではなくなります。その実践方法であるメディカルダイエットの手法として、食事と運動の組み合わせ、食事と休養の組み合わせ、運動と休養の組み合わせを研究しています。
同じ食事量、運動量であっても、どちらを先にするのかというタイミングによって結果が違ってきます。休養の中でも食事と運動との関わりで最も変化が大きいのは入浴であることがわかりました。そこでエネルギー代謝を高める方法として、「食事×運動」「食事×入浴」「運動×入浴」のタイミングによるエネルギー代謝の活性化を指導コンテンツとして発信しているのです。