発達障害児の支援については、自治体や社会福祉法人などを訪問して話をさせてもらうと必要であることは誰しも認めてくれます。また、私たちが進めている栄養面での発達支援についても重要性が認められています。コロナ禍から脱出できたときには、早急に「発達栄養」への取り組みを始めたいという言葉も相次いでいました。これはコロナ禍によって、子どもたちが苦しい状況になり、中でも発達障害児は心身のプレッシャーが大きく高まってきたことから、今まで以上の対策が必要であるという私たちの考えが理解されているからです。
とはいえ、新たなことするには予算が必要で、コロナ禍によってマイナスになった発達障害児の健康度を高めるために、コロナ対策費(新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金)を期待していました。第3次補正予算で総額1兆5000億円が確定して、これは全国の地方公共団体が自由に使える金額であることから、私どもだけでなく、各方面からアプローチがありました。
最優先はコロナ感染対策で、ワクチン接種も大きな使い道になります。ワクチン摂取が順調に進めば、感染が抑えられて対策費も少なくて済むので、余った予算の使い道の提案が寄せられるのも当然のことです。
ところが、ワクチン摂取を早く済ませることを国から急かされて、やっと準備をしたのに、急にワクチン配送が遅れるということになりました。そのために住民の予約を取ったのに、自治体のほうからキャンセル、延期を言わなければならないということになりました。これも時期を延ばすだけではなくて、会場、摂取に関わる人員、外部に委託した費用などがキャンセル分だけかかり、再開したときには別に費用がかかります。このために目の前にあった予算が消えただけでなく、不足してしまったという自治体も出てきました。
地方創生の予算は、収益が多い自治体と少ない自治体の格差を減らすことが重視されていることから、表現が正しいかどうか疑問もあるのですが、最大収益の東京都の稼ぎを削って、地方に分け与えているところがあります。一番の出どころである東京都のコロナ対策費が大きく必要になり、出せるほどの余裕がない状態になっています。ということは、今後は地方に回ってくる予算が今後は増えないどころか、下がることは当然に考えられることです。
前置きが長くなりましたが、自治体を期待して「発達栄養」の講習を発達障害児の保護者や支援の関係者に対して実施すると、いつ実施できるか見えなくなってきたことから、自前で始めることを目指して、まずは講習テキストの原稿と図表などの作成費の支援を広く求めることにしたということです。