インターバルウォーキングの1分間の超速歩き

インターバルウォーキングは普通の速度のウォーキングと速歩を繰り返すことによって、筋力をつけると同時に筋代謝力をつけることを目的として実施しています。速歩といってもイメージする速度はバラバラで、腕を振って少し早く歩く速度から走る寸前の速度まで、かなりの開きがあります。
歩くよりも走るほうがきついので、走る寸前といっても、それほど苦しいものではないと感じるかもしれません。呼吸でみると走ることに比べれば弱いのですが、下半身の筋肉の負荷は、走っているほうが楽です。学校や会社に遅れそうだというので必死になって歩いているときには、太ももとふくらはぎの筋肉のうち白筋が一気に動いて、疲労物質の乳酸が多く作られます。
そして、太ももとふくらはぎには一気に血液が流れ込み、酸素もたっぷりと送り込まれています。酸素が充分に取り込まれていることで、筋肉の細胞(筋繊維)の中のミトコンドリアの中でエネルギー産生が進んでいきます。脂肪を燃焼させているのは赤筋です。乳酸は発生したままにしておくと疲労物質でしかありませんが、有酸素運動を行うとエネルギー源として燃焼させることができます。つまり、疲労物質をなくして、しかもエネルギーを多く作り出すことができるというわけです。
日常的に行うインターバルウォーキングは、普通歩行と、それよりも20%ほど早い、そして20%ほど負荷が強い早歩きを交互に繰り返す方法を指導しています。このときには、下半身の筋肉への血流の変化が感じ取れればよいのですが、わかりにくい人もいるので、わざと最もきつい歩き方を体験してもらい、変化も感じ取ってもらうようにしています。強度は違うものの、それと同じ変化が起こっていることを知ってもらいたいからです。
その速歩は、先ほどの走る寸前の速度で、腕を大きく振ってグイグイと前進します。こんな歩き方を、運動に慣れていない人が何分の続けることはできないので、1分間だけという目標を立てます。そして、この1分間に全力を出し尽くす気持ちで必死歩きします。あくまで“全力を出し尽くす気持ち”であって、全力を出して次の普通歩行ができないようでは困ってしまいます。
1分間の超速歩きによって血液でパンパンになった太ももとふくらはぎは、普通歩行に切り替えると、筋肉の負荷は弱くてもミトコンドリアが過剰に反応した後だけに、できるだけ多くのエネルギーを作り出して対応しようとします。このために身体にかかっている負担の割には脂肪が多く燃焼してくれるようになります。
脂肪が燃焼するだけでなく、ふくらはぎのポンプ作用が高まった後でもあるので、血液は全身を勢いよく回っています。これによって下半身にたまっている水分が上へ上へと引き上げられていって、むくみの解消にもつながります。
太ももとふくらはぎの白筋を刺激するといっても、激しいスクワットをしているわけではないので、筋肉が太くなりすぎるようなことはありません。筋肉が刺激されて引き締まるので、むしろ太もももふくらはぎも細くなっていきます。そして、足首の筋肉は超速歩きによって強い刺激されているので、足首の引き締め効果を得ることもできるようになるのです。