ウォーキングは道さえあればできるわけではない

ウォーキングは特別な道具も必要なく、「いつでも、どこでも、どんな格好でも」できる運動だと考えられています。この「いつでも、どこでも、どんな格好でも」というのは日本ウオーキング協会によるキャッチフレーズで、それだけ取り組みやすいという反面、「どんな格好でも」ということでスタイリッシュなスポーツにならなかったということも言われています。
「いつでも」というのはタイミングの話で、朝でも夕方でも歩けるときに歩けばよいということになります。これは運動不足を叫ばれる時代には、よい話です。問題は「どこでも」という文言で、これは道さえあれば、場合によっては道がなくても歩けるところなら、どこでもよいということを指しています。しかし、それは真実とは言えません。
正しい姿勢で、正しい歩行をするためには歩きやすい路面が必要です。ウォーキングは1人だけで行うものではなく、複数の人数で話をしながら歩くこともあります。日本ウオーキング協会が採用しているのはマーチングリーグと呼ばれる集団行動で、長距離を歩くものですが、これも歩行路の条件があります。少なくとも安全に、怪我も事故もなくゴールまでたどり着けることが重要で、交流量が多くはなく、一般の歩行者で混雑している道は向いてはいません。
できることなら専用のウォーキングコースがあり、駅から近いところを通っていて、コースの途中に観光をするところや休憩するところがあり、さらには飲食や休養のための施設があれば申し分ありません。歩いている途中で天気予報と違って雨が降ってきたらコースの代わりに歩いたり、運動をする場所があれば中止にしないで済むので、イベントとしてのウォーキングも実施しやすくなります。
その条件にあった場所は探せば全国にあるのでしょうが、当NPO法人の理事長が移住した岡山市のすぐ近くにある和気町には、すべての条件が整っています。健康寿命の延伸のためには、当NPO法人が実施してきた理論講習だけでなく、運動をはじめとした実践が重要であり、そのチャンスがある場所であることも移住決定の大きな要因となっています。
実践の報告は、このコーナーで随時発信していくことにしています。