ウォーキングコースはトイレが決め手

ウォーキングコースを決めるときには、歩くのに適した道路(路面)、景色、交通量、道路の横断の回数、坂や階段の有無など、いくつかチェックすべき点があります。夏季には日除け、冬季には風など別に注意すべき点もあります。それと同時に重要になるのがトイレの数と配置です。ウォーキングは高齢の参加者が多く、年齢を重ねるほどトイレが近くなる傾向があります。女性は膀胱周辺の筋力の低下、男性は前立腺の肥大の状態になって膀胱にためられる量が変化してくるので、どうしても我慢できる時間が短くなっていきます。
夏場にはウォーキング中の水分補給が多くなり、冬場には寒さから身体が冷えてトイレに行きたくなります。ウォーキングなどの有酸素運動は、酸素を用いてエネルギーを多く作り出す運動ですが、細胞のミトコンドリアのTCA回路でエネルギー源の糖質や脂質を燃焼させてエネルギー産生するときに水が発生します。そのために、ウォーキングを続けるほど体内で多くの水が発生することになります。
ウォーキングの距離が短ければスタートとゴールにトイレがあれば充分ということもありますが、長く歩くほどトイレに寄らないわけにはいかなくなります。ウォーキングには、いろいろのスタイルがありますが、日本ウオーキング協会が普及しているマーチングリーグは集団で長距離を歩行するウォーキングスタイルで、その影響もあって長距離を歩くことが推奨されています。
ウォーキングコースを決定するときに、決定したコースを右回りと左回りの、どちらにするかで揉めたことがあります。陸上のトラック競技なら左回りと決められていますが、マラソンはトラックから出たら、どちら周りにしても問題はありません。人は右、クルマは左の原則に従うと、道路を歩くときに左回りにすると外側を歩くことになって距離が延びることになります。長距離を歩きたい人には優位になるということがあり、左回りを主張する人がいます。右回りと左周りでは横断する道路の数が異なることから、クルマの影響が少ないほうを選ぶこともあります。
揉めたのは、ウォーキングのイベントのスポンサーの本社の前を通るコースにしたいということで、トイレがコースの後半に少ないルートになることが原因でした。実際にはスポンサーの会社を通過して、そこで飲料のサービスを受けて、トイレも貸してもらうということで手を打ったのですが、そのために休日に一部の社員に出てきてもらうことにはなりました。
トイレがウォーキングコースに均等に設置されていればよいのですが、密集してあるところがある一方で、ほとんどないという場合もあります。もちろんスタートとゴールにはトイレがあるのが絶対条件ですが、歩き始めのところにはトイレはなくても、ゴールに近づくほどトイレの間隔は短く、数が多いほうが安心できるコースとなります。店舗やコンビニのトイレは、そこでの買い物を条件として使わせてもらうことができます。駅や公共施設も使わせてもらいやすいので、こういったことを考えてコースを決めることが必要になってきます。