エネルギー代謝101 体脂肪減少による骨密度低下

「太っていて良いことはない」とは普通に言われることですが、太っていることのメリットも少なからずあります。その例として、太っている人は免疫力が強い、遭難しても生き残れる、骨が丈夫ということがあげられます。

先に「遭難しても〜」ということから説明すると、体脂肪1kgあたりのエネルギー量は約7200kcalあります。脂肪1gは約9kcalなので1kgは9000kcalとなるところですが、体脂肪は20%が水分なので、「9000kcal×80%=7200kcal」となります。

成人男性の食事による摂取エネルギー量を2400kcalとすると、これは3日分のエネルギー量に相当します。もしも余分な体脂肪が10kgもあったとすると、30日分のエネルギー源を身体に蓄積していることになります。
女性は体脂肪の割合が高くて、男性よりも10%ほどは多いので、それだけ緊急事態が続いたときにも耐えられるということです。

次に骨についてですが、固くて変化しにくいように見える骨も、破骨細胞が骨からカルシウムを破壊して、骨芽細胞が骨にカルシウムを定着させています。骨芽細胞は骨に負荷がかかるほど活性化していきますが、体重が多いほど負荷が高まり、骨が丈夫になっていくことになります。

歩くことによって骨に負荷がかかるものの、歩くことによってエネルギー代謝が高まると体脂肪が減っていくようになります。体脂肪が減って体重が減っていくと、骨への負荷が弱まっていくようになります。

これに対する対策としては、骨にショックを与えるように歩幅を広げて、かかとから着地して勢いよく歩くか、荷物を背負って体重が増えているのと同じようにして歩くことがすすめられています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)