メタボリックシンドロームは「メタボ」と略されていますが、メタボのもとになっている用語の意味を知っている人には違和感がある言葉です。
メタボリックシンドロームは内臓脂肪症候群と訳され、その予防を目的として、2008年から40歳以上74歳未満のすべての被保険者・被扶養者を対象に特定健診・特定保健指導が始まりました。
メタボリックシンドロームの診断基準は2005年に8つの医学系学会(日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本肥満学会、日本循環器学会、日本腎臓病学会、日本血栓止血学会、日本内科学会)が合同して策定しました。
従来の健康診断は生活習慣病(がんを含む)の早期発見・早期治療を重視してきましたが、内臓脂肪の過剰蓄積による糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧などの動脈硬化の予防・改善が重視されることになりました。
特定保健指導では、食生活改善と運動実施による代謝促進によって内臓脂肪を減らすことが重視され、食事と運動を組み合わせた指導が実施されました。
これまでは食事による摂取エネルギー量と運動による消費エネルギー量の調整が基本とされてきましたが、食事と運動の組み合わせが積極的に指導され、食事と運動のタイミングによる内臓脂肪の減少への取り組みが実施されました。
この代謝促進はメタボリズム・プロモーション(Metabolism promotion)と訳されています。メタボリズムは代謝を意味した用語であることから、メタボリックシンドロームは「代謝低下症候群」と呼ぶのが相応しく、その改善には代謝を促進することが重要であることがわかります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)