エネルギー代謝106 「たんぱく質の摂取量は身体のバランスで」の真偽

身体は食べているもので構成されているという考え方があって、身体を構成する成分を食事で摂取するときには、構成成分のバランスに合わせるという発想は以前からあり、それをすすめる専門家(医師や管理栄養士など)がいます。

その例として、よくあげられるのはたんぱく質です。たんぱく質の摂取を中心した人気書籍の著者の管理栄養士は、たんぱく質は身体の4割を構成しているので、その割合での摂取を著書の中ですすめています。

水分を除いた身体の構成成分は2割ほどなので、4割という表現は違っていますが、それよりも気になるのは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」の三大エネルギー源の摂取バランスが間違っているという主張をしている部分です。

「日本人の食事摂取基準」では、たんぱく質が13〜20%、脂質が20〜30%、糖質が50〜65%とされています。その平均は、たんぱく質が15%、脂質が25%、糖質が60%となっています。

これはエネルギー量のバランスで、脂質は1gあたり約9kcalなので、糖質とたんぱく質の約4kcalとは2.25倍の差があります。詳細は省きますが、重量で計算すると、たんぱく質は17.4%となり、大まかな2割と大きくは違っていないことになります。

たんぱく質の1日の摂取目安は60gとされています。これは体重1kgについて1.0〜1.2gとされているので、男性は60〜90g、女性は45〜68gとの目安が示されています。

運動をする人は、たんぱく質の摂取が重要となることから、体重1kgの摂取目安は多めになっていて、持久系の運動では1.2〜1.4g、瞬発系の運動では1.7〜1.8gとされています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)