日本人は世界でも健康度が高いと考えられていて、平均寿命は女性が世界1位(87歳)、男性が世界2位(81歳)にもなっています。その分だけ健康寿命との差が目立つようになっていて、男性で9年、女性で12年もの期間が自由に活動できない期間となっています。男性でいえば、70歳を少し過ぎたところで、活動範囲が狭められるということです。
これは平均寿命が一気に延びたことが関係しています。日本人の平均寿命が50歳に達したのは1947年(昭和22年)のことで、その当時はアメリカは65歳、北欧は70歳を超えていました。いわゆる先進国の中では最下位に位置していたところから、一気に世界のトップ(クラス)まで延びたのは、もともと健康度が高まったためだとも考えられるところですが、日本人は体質的な大弱点を抱えたまま健康づくりに励んできました。
その大弱点というのは、血液温度が低いことです。日本人の血液温度は37〜38℃で、この温度の血液が送られてくることで平熱の36〜37℃が保たれています。欧米人や北方アジア人などの血液温度は38〜39℃となっています。わずか1℃ほどの差ですが、これが健康度の大きな影響を与えているのです。
健康に関して最も大きな影響を与えているのは血管の状態です。血管の老化を進めるものとして中性脂肪やコレステロールが知られていますが、中でも動物性の脂肪である飽和脂肪酸は血液中で固まりやすくなっています。動物の血液温度をみると、羊は約44℃、鶏は約42℃、牛と豚は約40℃となっていて、この温度で溶けている脂肪は、それよりも低い温度の血液の中では固まりやすくなります。日本人は血液温度が低いので、より固まりやすく、その結果として動脈硬化になりやすい体質となっています。
これを改善するためには、全身の細胞で作り出されるエネルギーを増やして、熱エネルギーを多くして、血液が温まるようにすることが、今後の健康づくりには重要なテーマになってくるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)