消化をよくするためには消化液を多く分泌させる必要があるわけですが、食べたものの種類と分量に合わせて消化液が分泌されるためには、消化器を正常に働かせるためのエネルギーが必要になります。細胞の中で発生するエネルギーの源になっているのは糖質(ブドウ糖)、脂質(脂肪酸)ですが、これが細胞の中のミトコンドリアで代謝されることによって細胞の中の生化学反応を起こすためのエネルギーとなっています。
細胞の中で作り出されたエネルギーは、その細胞の中でしか使われない“地産地消”のような状態となっています。消化液を正常に分泌させるためには、胃の細胞だけでなく、消化液を作り出している器官、消化のサインを出している神経の働きも正常である必要があり、その働きをコントロールしているのが、それぞれの細胞で作り出されたエネルギーです。
消化液の中には酵素が含まれていて、この酵素はタンパク質です。これは食事で摂ったたんぱく質が材料です。ここでは、体内にあるものをタンパク質、食品に含まれているものをたんぱく質と区別して表現しています。たんぱく質が胃で分解されるとアミノ酸となり、このアミノ酸が肝臓の中で必要なタンパク質になり、その一部が酵素となります。
酵素が多く作られるためには、肝臓の細胞の中で起こるエネルギー代謝が重要になります。代謝が盛んになって、エネルギーが多く作り出されれば、必要な酵素が作られ、消化を盛んにすることができるようになります。このようにエネルギー代謝が高まることが重要ですが、年齢を重ねると消化液の分泌が減っていきます。これを整えるためには、エネルギー代謝を高めるための代謝促進成分が必要になってきます。その成分として、メディカルダイエットの考えに基づいてすすめているのがL‐カルニチンです。L‐カルニチンはミトコンドリアに脂肪酸を取り込むために欠かせない代謝促進成分で、L‐カルニチンを摂取するだけで全身のエネルギー代謝が高まることが確認されています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)