エネルギー代謝32 代謝と鉄の関係

ミネラルの鉄はエネルギー代謝の酵素の構成成分となるミネラルで、赤血球の色素成分であるヘモグロビンの成分として酸素の運搬、細胞への酸素の取り込み、老廃物の炭酸ガスとの取り替えの機能があります。体内では鉄は4~5gが含まれ、60%以上がヘモグロビンの中に存在して赤血球の酸素搬送に関わっています。残りは肝臓、骨髄、脾臓などに蓄えられています。

鉄が不足するとエネルギー代謝が進みにくくなるということで、成長期の子どもにもスポーツをする人にも生理がある女性にも重要なミネラルとなっています。

鉄はヘム鉄と非ヘム鉄の種類があります。肉類に多く含まれるヘム鉄は、野菜などに含まれる非ヘム鉄に比べると体内への吸収率は3倍以上となっています。食品では肉類、レバー、貝類、カボチャ種子などに多く含まれていますが、最近では野菜や穀類に含まれる鉄が減少していることが指摘されています。その原因としては土の中の鉄の不足と同時に、大量栽培が指摘されています。多くの野菜を育てるために土の中の鉄が多く取り込まれていることの影響です。

運動をするとエネルギー代謝を高めるために鉄が多く必要になります。そのために運動をするほど体内の鉄が減るようになります。鉄は赤血球の構成成分で、酸素を運ぶ役割があります。この酸素を使って、細胞の中のミトコンドリアでエネルギーを作り出すときにも、補酵素として鉄が必要になります。エネルギー代謝を高めてダイエットをするときには、鉄の補給も必要となります。

運動をすると他の理由でも鉄が不足するようになります。運動をして筋肉が増えていくときにも補酵素として鉄が必要になります。筋肉が増えていくときには鉄が必要になるということですが、鉄が不足していると筋肉を強化する運動をしても、思ったように筋肉がついていかないことになります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)