エネルギー代謝33 やせてくると筋トレの効果が出にくくなる

ダイエットのための筋肉トレーニングの基本は自分の体重を活用した自重トレーニングです。スクワットもウォーキングもプッシュアップ(腕立て伏せ)も腹筋運動も筋肉に負荷をかけるのは、自分の体重です。太っていることは健康のためによいことはないと言われるものの、一つだけよいことがあって、体重が重いことで骨にかかる負荷が強まって骨密度が高まることです。

骨に負荷がかかるということは、骨の周囲の筋肉にも刺激がかかるということで、本来なら太っていることは筋肉を鍛えて、ダイエットにつながるということも言えるはずです。このことを言わないのは、太っていることがダイエットによいなどと言うと、ダイエットのための食事療法や科学的に裏付けられた運動療法をしなくなる人がいるからです。

運動をして筋肉が鍛えられることで代謝が高まるのはよいことではあっても、代謝が高まった結果として体脂肪が減り、体重が下がってくると筋肉トレーニングの効果が現れにくくなってきます。筋肉は重くて、脂肪が軽いということで、体脂肪が減っても体重に大きな影響を与えないように言われることもあります。しかし、実際の重量の差は、印象とは違っています。同じ容量で比較すると筋肉を100とすると脂肪は80の割合です。

20%ほどしか違っていないので、運動によって筋肉が増えても、体脂肪が減ることによって下がる体重のほうが大きい人のほうが多いのです。

筋肉トレーニングによって体脂肪が減ってくると筋肉にかかる負荷が落ちて、運動をした割には筋肉のエネルギー代謝が高まらなくなります。筋肉に強い負荷がかかる筋肉トレーニングではブドウ糖をエネルギー源とする白筋が増えていきます。脂肪酸をエネルギー源としているのは赤筋です。赤筋は有酸素運動によって強まっていく筋肉であるので、体重が落ちてきたときに実施すべき運動は有酸素運動のウォーキング、バランスボールなどを使ったバウンド運動ということになります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)