ダイエットについて、わかりやすいように説明するときには図を多用します。図で描けることには限界があって、目に見えるものなら筋肉でも脂肪でも簡単に説明できます。そのために、説明する側(教える側)がイメージしたことは見る側(習う側)と大きくは違ってはいません。
それに対して目に見えないものはイメージ図で描くしかなくて、説明する側がイメージしたことを、そのまま見る側が理解してくれるとは限りません。見えないといっても肉眼で見えないだけで顕微鏡のレベル、電子顕微鏡のレベルになれば画像として示すことは可能です。では、画像を、そのまま示せば理解してもらえるのかというと、現物よりもイメージ図のほうがわかりやすいというのは普通にあることです。
目に見えないものというと精神世界や霊的な世界、生命エネルギーがあげられることがあります。ダイエットに関わることは精神的な根性、やる気といったことではないのですが、食べ物のエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を細胞のミトコンドリアの中でエネルギー化するときには、プラスとマイナスの電子のやり取り、イオンの変化による生化学反応であるので、これは目で見えることではありません。
全身の細胞の中で起こっているエネルギー代謝も、作り出されたエネルギーを使って、必要なものを作り出すことも目で見えることではありません。細胞内の生化学反応を促進する酵素も、その酵素の働きを進めるために必要な補酵素も、タンパク質であるので微小レベルで見ることはできても、生化学反応そのものは見ることができません。
活性酸素は酸素からマイナス電子が一つ欠けたものなので、酸素との違いは目で見ることはできません。活性酸素が体内の細胞を酸化させることも見えなければ、マイナス電子を与えて酸化を防ぐ抗酸化成分の作用も見ることができません。
だから、そのイメージを、どれだけわかりやすく伝えられるか、理解のためにわかりやすいたとえ話ができるかが、見えない世界を伝えるときには大切になってくるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)