体内に蓄積された毒素(有害ミネラル)を排出するデトックスは、便や尿に含まれる毒素を積極的に排出することで、臓器の毒素を減らし、最終的には全身の細胞の中の有害ミネラルを排出させようとして実施されています。
デトックスは全身の健康の維持のために行われるものであるはずですが、「ダイエットに効果がある」ということを謳い文句にして普及に努めているクリニックや美容サロンなどがあります。
全身の細胞の中では、ミトコンドリアのTCA回路というエネルギー産生システムの中で、エネルギー源(主にはブドウ糖と脂肪酸)がエネルギー化されています。TCA回路が正常に働くためには、有害な成分が細胞内にないことが必要です。TCA回路の活性化によって、脂肪酸がエネルギー化して減っていくことになります。
TCA回路で発生したエネルギーは細胞の中で起こる生化学反応を起こすために使われています。そのときに細胞の中に有害ミネラルがあると、生化学反応が低下することになり、エネルギーを使って筋肉を増やす、血流を促進するという反応が起こりにくくなります。
これがデトックスによってダイエットが進みやすくなる理由としてあげられていることですが、ダイエットといっても食事を減らすだけでは、食べ物から体内に入ってくる有害ミネラルが減ることはあっても、デトックス効果は高まりにくいと考えられています。
有害ミネラルを細胞の中から排出するためには、健康維持に必須なミネラルが必要で、このミネラルを使って細胞が正常に働くように整えられていきます。食事量を減らして、必要なミネラルが減ってしまったのでは仕方がありません。
それよりも食事でミネラルを多く摂って、運動などによって代謝を高めて、有害ミネラルを排出できる身体にしていくことが重要であると考えています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)